ATAMブログ

2022.04.27

講師インタビュー 里春たえ先生アート編② ‐ オンラインイラスト教室|ATAM ACADEMY

1:簡単な自己紹介をお願いします。(HN、お仕事内容等)

里春たえです。

イラストレーション・アニメーション制作をしています。

もの・ことを見て考えて、作品として形作ることが好きです。
文字を書いたり、スケッチをして筆を持つ前に準備を整えることも大好きです。

色々なものを観察して、皆さんと一緒に楽しく絵を描くことができれば嬉しいです。

2:創作をする上でのテーマを教えてください。

”相手に優しくしたいのに、どうしてもうまくいかない”

そんな不器用で優しいキャラクターを描くことが好きです。
誰にでもありうる個人的な悩みを柔らかく描くことで、どのキャラクターに対しても見てくれる人から共感をもらえるような、繊細なテーマが常に心の中に持っています。

また、物心を覚えた頃から「可愛い女の子」を描くこと夢中でした。
可愛い女の子といっても、それぞれです。私が衝撃を受けた「可愛い女の子」は、水野英子先生の描かれるヒロイン
アニメーションという業界に夢見ていたころ、水野英子先生の作品のような女の子を動かしたいと思っていました。
可愛い女の子とは、よく”動き”、よく”笑い”、そしてよく”優しく微笑む”といまだに思うのです。

3:最近描いた作品の解説をお願いします。

 

コミッションという有償の依頼で描いたイラストです。

銀髪青目、黒を基調としたゴスロリとのことでしたので、まずはゴスロリについてたくさんリサーチをしました。

ゴスロリもさまざまなので少々悩みましたが、もともと依頼主さんが私の少女漫画のタッチが好きでオーダーいただいたことを前提として、アンティーク調ドレスのイメージで描いていきました。
いわゆる日本らしいゴスロリというよりは、少し本格的なゴシックに近いどっしりとした重量感のドレスです。

私は絵柄的にアニメ系の塗りかたというより、松本零士のような濃い水彩調でいつも塗っています。
何度も薄く水彩筆をのせて、印刷すればアナログ絵に見えるような雰囲気になるよう心がけました。黒が基調なので、薄いブルーグレーを何度も塗り重ねて、重たくなりすぎないよう気をつけました。

上からテクスチャ素材を重ねることで、水彩筆の筆致がさらに綺麗に浮き上がるようにもしました。
構造自体はそんなに難しくない絵でしたが、なにぶん細かい服のパーツが多すぎて塗り分けの労力のかかり方がすごかったと記憶しています。

4:絵が上手くなるためにどのように勉強しましたか?

漫画絵に関してはとにかく好きな絵を真似し、好きなものをとことん描きまくりました。
好きなものに対しては下手なりにロジックも練り、自分から語ることができるようにしました。

また私はどちらかといえば「言葉による理屈を、直感的に理解して初めて絵が上手くなる」タイプです。
この”絵が上手くなる”というのは物理的に絵が上手くなる、というより「クリアな頭の状態で自分を見つめ、真っ直ぐ筆を進めることができるようになる」という意味です。

まずは自分で描いてみて、そしてひと休みをしてから描いた絵の分析を細かく行っていました。
恩師は数歩離れたところから私の絵を見て、懇々と抽象画やデッサンのロジックや歴史、今現在の絵の考え方そのものを教えてくださいました。
いま思えば「ひたすらに描く」ことから一歩先、「自己分析がもっとも重要である」ということを伝えているのだと思います。

好きなものはどんなに今うまくなくても絶対曲げずに、技術はその合間合間にそのとき必要なだけ学ぶことを根気よく続けることで、結果だれにも真似のできないオリジナリティが生まれるとのちに大学のころに学びました。

5:制作をする際に必ずやることはありますか?

映像やストーリーものではプロットをしっかり練ること。

台本のような丁寧さでモノローグもセリフも行動もすべてメモに書き起こします。そうすることで頭のなかに浮かんでいたイメージ映像のようなものが言語化され、物理的に保存されます。

これをしないと、どんなに記憶に自信があるときでも、絶対に何かしら忘れてしまうのです。そうなるとおかしなもので、のちに考えたアイデアのほうが客観的に良かったとしても、「いや、忘れてしまった前のアイデアの方が絶対良かったに違いない」と悲嘆に暮れてしまうのです。

思いついたアイデアの比較が、己のミスでできないときほど口惜しいものはありません。どんなに小さなアイデアでも絶対に一度はメモに言葉として書き起こしておくことは、私にとっては必要不可欠です。

イラストでは下書きの時点でほぼ完成図に近い絵を描くこと。
そうすると本番の線画で何も考えず、とにかく理想の線を追うことだけに集中できるのでそうしています。

6:どんな時に作品のアイディアが浮かびますか?

夜寝入る直前、お風呂に入っているときやとにかくぼーっとしているときなど。
脳がリラックスしているとするするとアイディアが浮かぶので、そのときにメモをしています。
だいたい夕方以降になって体力的にもダレてくると自然と脳みそもほぐれてくるのか、妙に冴えたアイデアが出てくることがちょくちょくあります。

本気でアイデアが出なくてあせるときもあります。
そういうときは偶然にすがる思いで、部屋の中をうろうろします。カートゥーンアニメーションでキャラクターが思考をしながらグルグルしている、ああいう感じを本当にやります。

なんなら口にも出します。
音読をすると理解がはやまるといいますが、実際アイデアや途中までの考えを口に出してみると「これやめた方がいいな」といった編集脳にさっと切り替えられて、リニューアルしたアイデアをもとに案外さくっと新たなアイデアが生み出されます。
グルグルしてる姿や音読しているのは見ためがあやしいですし、これは最終手段ですが……。

7:絵が上手くなりたい!思っている方へアドバイスなどがあればお願いします

まずは、自分が一番好きな絵を見つけましょう

見つけられたなら真似をして描いてみて、自分の絵とその絵の何が違うのかを考えてみましょう。
そうすることで”この絵が描きたい!”という強い願望のもとで、自然と絵を学ぶプロセスが自分な中で構築されていくはずです。
絵は好きなものを一生懸命考えながら描くことが一番です。

いまはインターネット検索をすると、絵の描き方やハウツーがあふれています。
しかしそれはあくまで”描きかた”というみんなも同じことができる”手段”。
世間に通用するような強烈なオリジナリティを出すには、既存の絵を観察し、そして自分の絵の分析を続けることで生まれるのではないかと思うのです。

こんなことを私も小学生のころからやっていたわけではなく、
当時は「どうしたら同じ絵が描けるんだろう?」と好きな絵を一生懸命真似していました。
そのころを思い返すと、まずは「一番好きなものを見つけること」こそが上手くなることへの第一歩だったのだと思います。

 

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