2023.05.05
講師インタビュー ワタナベハナエ先生アート編② - オンラインイラスト教室|ATAM ACADEMY

ワタナベハナエ先生の簡単な自己紹介をお願いします。(HN、お仕事内容等)
ワタナベハナエです。
グラフィックデザイン、広告用イラスト、キャラクターデザイン、ライブペイント、手描き看板制作・教室主宰などのお仕事をしています。
10年以上フリーランスでデザイン・イラスト制作をしているので、お仕事でも使えるワザをわかりやすくお伝えします。
みなさんの個性を引き出せるように、それぞれに合わせてアドバイスをします!
ワタナベハナエ先生が創作をする上でのテーマを教えてください。
「ほっとひといき、ときどきときめき」というテーマで制作をしています。
自分の絵を見てほっとひといきついたり、何か希望が持てるようなワクワクした気持ちになってほしいなと思っています。
そのために、特に色づかいを意識して創作しています。色は温度を感じたり、美味しそうに見えたり、五感を刺激してくれます。
創作する時だけではなく人として、誰かにほっとしてもらえたり、ちょっとしたときめきを与えられるような存在でありたいと思っています。
あとは「伝えたいことを、わかりやすく伝わるように」するよう心がけています。
言語の壁を越えたり、なかなか言葉にしにくい気持ちを表現できるのがアートだと思います。
私は幼い頃から何かを伝えることが苦手で、そういうつもりじゃないのに…と思うようなことがたくさんありました。
だからこそわかりやすい伝え方を意識して、創作するときもそのようなテーマで挑むようにしています。
ワタナベハナエ先生が最近描いた作品の解説をお願いします。

実際に、競馬の競走馬を育てている町へ行った時のことを描いた作品です。
厩舎(きゅうしゃ:馬を飼う建物)からの朝日がとても美しく印象的だったので、それを表現しました。
この厩舎には理学療法士(リハビリをする専門職)さんがいて、「乗馬療育」という、乗馬を通してリフレッシュしたり、リハビリをするため場所でした。
人と馬の協同にとても感動し、その活動を広めたいという想いで描きました。
馬に乗る温かい感触と、迫力ある大きい体、広々とした厩舎(きゅうしゃ)を表現できるように工夫しました。

自分で撮った画像を元に、感じた空気感で色を選びました。朝日を綺麗に描くため、優しい色の中に光を見せています。
ツールはiPadでAdobe Frescoを使用しました。画像に写っていないものは別撮りの画像を参考にしています。
今回は画像を見たまま下書きをして着色しました。
アタリは床や壁、天井を描いてから、奥から手前に描きました。着色の1番最後に、牧草ロールのフサフサをひたすら線で描きました。
絵が上手くなるためにどのように勉強しましたか?
私は美大へ行かなかったので、美術館やギャラリー、本屋さん、芸術祭、アートイベントに参加して、とにかくたくさんのアートに触れました。学校ではなく、体験の場で行動と実践を積みました。
何気ない日常に絵に対する意識を持つだけでも、上手になるヒントはたくさんあると思います。
花屋で花束を作る時は、色の組み合わせを意識していました。
ピンク色に「青み」や「黄色み」があるとは知りませんでしたが、意識すると「青みがかったピンクの薔薇」には「オレンジのお花」が合いにくいなど、少しずつ色の組み合わせがわかっていきました。
構図は、カメラを趣味にしていた時に勉強しました。
iPhoneやスマホのカメラでも、グリッド線(角度や水平がわかりやすくなる補助線)を出して気軽に撮ることができるので、構図のコツが身に付きやすいと思います。
ワタナベハナエ先生が制作をする際に必ずやることはありますか?
調べること、資料を集めることを必ずやり、取材・調査を大事にしています。
英語の記事を読むこともありますし、ネットだけでなく図書館で調べたり、現場へ行ったり、詳しい専門家に聞きに行ったりもしています。
スクラップブックのようなノートが理想ですが、画像やテキストなどの資料はとりあえずフォルダにまとめています。
さらに、ヒアリング(要望を聞くこと)も大事にしています。
意図を理解するように聞くと、着地点を見つけられます。食い違うことも多いので難しいですが、目に見えない資料を引き出す気持ちで行っています。
また、できるだけ日頃の体調を整え、常に気持ちよく制作できるようにしたいと思っています。
ワタナベハナエ先生はどんな時に作品のアイディアが浮かびますか?
アイディアの出し方は大きく2通りあります。
まず1つ目は、目的からの逆算です。
どこに飾る、どうやって使われる、見る人がどんな気持ちになるかなど、目的に合わせて描くものを考えます。
そのためにたくさん調べ、全然違うものを組み合わせてみたり、または共通点を探して考えていくこともあります。
2つ目は心が動いた瞬間に注目することです。
帰り道に見た夕焼け空など、自分がキュンとした瞬間をメモしています。
普段の何気ない感情や強烈な感情、自分の心が動く瞬間、たとえネガティブでも、自分の正直な感情は作品にするチャンスです。
いずれも、アイディアの中で「見どころ」を一つ決めるようにしています。
優先順位をつけて、アイディアが生かされる作品にしようと心がけています。
絵が上手くなりたい!思っている方へワタナベハナエ先生からアドバイスなどがあればお願いします。
「楽しく描いているうちに、いつの間に上手になっていた」という状態がベストだと思っています。
たくさん描いてきたことは自信に繋がります。
上達を目標にするのはとても立派ですが、思うようにいかない時に苦しくなり、全て投げ出したくなります。
描きたくなって戻ってくることもありますが、できるだけ絵を描くことを見捨てないであげてほしいと思います。
ゆっくりですが、昨日の自分より確実に上手になっているはずです。
是非、自分で自分の絵を褒めてほしいと思います。
言葉にすると、なんだか本当に素敵に見えてきたりします。
上手くなりたいという気持ちは、どんなに絵が上手くなっても抱き続ける気持ちです。
あまり焦らずに解決しようとしなくても良いと思います。
人と比較しすぎず、自分のペースで自分らしく描いてほしいなと思っています。
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