私たちの想い

アタムアカデミーを
スタートした経緯

自分の子どもに受けさせたい教育がアート教育だった

「自律した人間に育って欲しい」と言われて育てられてきたひとは、多いことと思います。私も自分の親にはそう言われて育てられましたし、自分の子どもにも同じように自律して欲しいと願っています。いつまでも親が子どもの面倒を見てあげるわけにはいかず、子どももいつかは自律する必要があるでしょう。私もひとりの親として、子どもが自律できるようにサポートしたいです。

自律した人間とは「自分で考えて、自分で行動する人間」のこと。

誰かに指示されたり、周りから干渉されたりすることなく、自分自身で物事をじっくりと観察し、問題について色々な角度から検証し、最終的には自分の責任で判断する。そんな自律した人間であれば、今までのやり方が通用しない変化の激しい現代においても、きっと活躍できる人間になるでしょう。

自律した人間になるためには、子どものときから自律した人間になるための訓練をする必要があります。そして自律の訓練としては、アート教育こそが最適だと私は信じます。作品を描くとき、自分自身で対象をじっくりと観察し、色々な視点・視座からの表現を検証し、最終的には自分の責任で作品を生み出す。アート教育では、自律した思考プロセスを体験できるのです。

自分の子どもにどういう教育を受けさせたいかを考えたとき、最終的に辿りついたのがアート教育でした。株式会社アタムでは、アタムアカデミー事業を通じて、親の目線から子どもに受けさせたい教育を体現していきます。

なぜ”絵”を通して教育を
提供していきたいのか

「答えがない」からこそ考え続ける

自律した人間になるためのプロセスは、日常の色々なシーンにあります。たとえば受験勉強は、自律するための大切なプロセス。誰に強制されるわけでもなく、自分の将来のために、自分が目指すべき学校に合格するべく勉強する、このプロセスを通じて自律していくひともいます。

私自身、受験勉強に取り組んだ経験から考えると、受験勉強の最大の弱点は「正解があること」だと感じています。ほとんどのひとは、回答欄に回答を書いた瞬間に、その問題について考えることをやめてしまいます。他の解釈はないか、他の解き方はないか、本当にこの答えは正しいのか、受験の場でこれらの視点で問題を検証する時間はありません。正解がない実際の社会とは違った状況しか経験できないのが、自律のプロセスとしての受験勉強の弱点なのです。

一方、アートや絵には正解がありません。1枚の絵を見たとき、そこから何を感じるか。これは個人の自由ですし、友だちとは感じ方も違います。友だちの感想を聞いてみると、自分にはない新たな視点が加わり、その絵に対する自分の見方が変わる経験もできます。1枚の絵がもたらす問いに対して、他者と議論し、また思考を深めていく。このプロセスを繰り返すことで、自分の考えや感性が磨かれ、より自律的な人間に近づいていきます。このように絵画には正解がありません。だからこそ、一生考え続けられる最高の教材になると考えています。

”オンライン”
絵画教室である理由

「絵が好き」を軸にした多様性のコミュニティ

自律した人間になるために必要な視点として「多様性」は外すことはできません。実際の社会は、色々な視点、考え方、立場のひとによって構成されています。きっと今後も、ますます多様性は高まっていくでしょう。私たちの子どもは、そんな社会で生き抜いていくことが求められているのです。

ただ現在の教育では、多様性を受け入れることを教えきれていません。なぜなら、教育の基本は「学校教育」にあるからです。

学校には、同じ地域に住む同じ年代の子どもしかいません。周りと同じ経験をして、同じテレビを見る。もしかすると生活スタイルまでほとんど同じ子どもが集まっているかもしれません。似たような友だちと同じ経験をして大人になっていくのは、きっと居心地はいいでしょう。

しかしながら、アタムはこの状況に危機感を抱いています。

なぜなら、同地域・同学年の子どもだけの閉鎖されたコミュニティで、社会で生きていくために必要な多様性を身に付けられるとは限らないからです。本当の多様性は、まったく違うバックボーンをもったひとと付き合うことで生まれます。考え方、価値観がまったく違うひとと付き合うことこそが多様性を育てます。だからこそアタムでは、オンラインで生徒4人ずつの少人数授業を運営しているのです。

オンラインで運営することで、アタムアカデミーには、日本各地の生徒だけではなく、香港、シンガポール、アメリカと世界中から生徒を集めることができました。生徒の学年も幼稚園年長〜小学校5年生までと幅広い構成です。年齢も住まいも文化も違う生徒が、4名で授業を受けるのです。アタムアカデミーには、多様性を育てる素地があると自負しています。

実際の授業では、小学校5年生が小学校2年生の子どもに絵のコツを説明するシーンも見られました。小学校2年生の視点に立って、言語化が難しい絵のコツをわかりやすい言葉で説明するには、多様性だけではなく、コミュニケーション能力も必要。これほど高度で難しいコミュニケーションを、小学生のうちから経験できるのはアタムアカデミーの特徴です。

「絵が好き」という軸のみで集まっているアタムアカデミーの生徒。毎週同じ授業で一緒に絵を描く、アメリカに住む小学校5年生と、静岡に住む小学校2年生。実際に会ったことはないけれど、コミュニケーションを取るうちに、気の合う友人に… そんな風に、アタムアカデミーを通じて、会ったこともない一生の友だちが見つかるかもしれません。

これからアタムアカデミー
が目指していくこと

アート教育で世界をもっと良くする

世界レベルで見ると、貧困、紛争、環境問題、災害、難民、食料難。色々な問題が山積みです。過去もずっと世界中で問題が起こってきましたし、これからもきっと未知の問題は起こるでしょう。世界をもっと良くするには、起こっている問題をその都度解決していくしかありません。そして、それは人間が主体的にやっていく仕事です。

そんな世界の諸問題に立ち向かう子どもたちを育てる。これがアタムアカデミーの目指すところです。

アタムアカデミーのイラスト教育により、困難な問題にも正面から向き合う姿勢を。そして自らの頭で考えて、問題の解決に向けて進んで行動する子どもを。チーム一丸となって育てたいと考えていきます。子どもたちが楽しくイラストを学ぶ中で、自然と非認知能力が鍛えられて自律を促す授業カリキュラムに設計。先生方も、子どもたちの自信を深められるように授業を運営していきます。楽しいイラストだけではない、社会に出ても一生使える能力を子どもたちに伝えたいと考えています。

アタムアカデミーの生徒が、将来的に絵に関する職業に就くことを必ずしも目指しているわけではありません。絵に関する職業に就かなくても、アタムアカデミーで身に付けた自律的な能力はどの職業にも応用できます。アタムアカデミーに通った生徒が自律的な人間に成長し、困難の多い現代社会でも活躍して欲しいと、心から願っています。

アタムアカデミーの卒業生が社会で活躍して、その影響が世界に広がり、世界の諸問題を解決に向かって前進させてほしい。アタムアカデミーは、イラスト教育を通じて、子どもたちの自律的な成長を促し、日本から世界をもっとよくできるようにこれからもずっと努力していきます。