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子供が「イラストレーターになりたい」と言い出したら?

将来、イラストレーターになりたいという子供は増えています。一方で、「イラストレーターは食べていけない」「不安定な仕事だ」という言葉もよく聞きます。

親として、お子様の将来を心配するのは当然のことです。しかし、ここで無責任に「なれるよ!」と肯定するのも、頭ごなしに「そんなの無理だ」と否定するのも、どちらも正解とは言えません。

この記事では、子供の「好き」を尊重しながら、将来の選択肢を確実に広げるための視点をご紹介します。それは、イラストレーターという職業のリアルを知り、「お絵描き」を「キャリア教育」として戦略的に捉え直すことです。

そもそも「イラストレーター」とはどんな仕事?子供と大人の認識のズレ

まず大切なのは、子供がイメージしている「イラストレーター」と、大人が知る「仕事としてのイラストレーター」には、大きなズレがあることを理解することです。

子供のイメージはアーティスト(自己表現)

今の子供たちが憧れているのは、SNSで「いいね」を集めるインフルエンサーや、人気Vtuberのキャラクターデザインを担当するクリエイターたちです。 子供の動機はシンプルで、自分の好きな絵を、好きなように描いて、みんなに褒められたいというものです。これは、ビジネスというよりはアーティストに近い感覚です。

ビジネスの現実はひとのために描く(課題解決)

一方、社会におけるイラストレーターの仕事の大半は、ゲームの素材、広告の挿絵、書籍の表紙などです。 これらはすべてクライアントが存在します。

「こういう絵を描いてほしい」という要望に応えることが仕事であり、自分の描きたい絵だけを描ける人は、プロの中でもごく一部です。つまり、求められるのは、ひとのために描く(課題解決)能力です。

入り口は「好き」でOK!プロを目指すなら視点の切り替えが必要

もちろん、最初からビジネスを意識する必要はありません。入り口はアーティスト(自己表現)でOKです。「のびのび楽しんで描いていたら、いつの間にか仕事に必要な視点も身についていた」 これこそが、アタムアカデミーが提供したい理想の成長ステップです。

しかし、本気でプロを目指すなら、どこかのタイミングで「人のために描く(課題解決)」という視点を持つことが、お子様の成長には不可欠であることを、親御さんは知っておいてください。

親が知っておくべき現実とその伝え方

では、実際にどのような心構えが必要なのでしょうか。「子供に伝えるべきこと」と「親だけが知っておくべきこと」を分けて整理します。

プロを目指す子供にいま教えておくべき3つの「社会のルール」

アタムアカデミーでは、プロ志望か趣味かに関わらず、以下の3つは伝えています。これらは、イラストに限らず、将来どんな仕事に就いても必要となる「社会人の基礎体力」だからです。

1.誰かのために描く
仕事でも人間関係でも、自分勝手は通用しません。相手が喜ぶものを描く姿勢が大切です。

2.締め切りを守る
どんなに上手い絵でも、約束の日(納期)に出せなければ価値はゼロです。約束を守るという信用の問題です。

3.修正を受け入れる 
「ここを直して」と言われるのは、人格否定ではありません。もっと良くするためのアドバイスです。これを受け入れる柔軟さが成長のカギです。

趣味で楽しみたい場合もルールは必要?

私たちは、”趣味の場合もルールは必要”だと考えています。例えばサッカーのスポーツ少年団では、プロ志望でも趣味の子でも、等しく「時間を守る」「挨拶をする」「ルールを守る」ことを教えられます。イラストも同じです。好きだからこそ、ルールを守って取り組むという経験が、お子様の自律心を育てると考えています。

親だけが覚悟しておくべきシビアな現実

次に、子供にわざわざ言う必要はありませんが、親御さんはリスク管理として知っておくべき現実です。

1.全員がイラストレーターになれるわけではない
イラストレーターが非常に狭き門であることは事実です。専業で食べていけるのは全体の一握りと言われています。

2.「好き」が「苦痛」になるリスクもある
趣味のうちは楽しくても、仕事になった途端に描けなくなるケースは多々あります。

3.下積みとAIの台頭
最初から高収入を得るのは難しく、近年は生成AIとの競争も激化しています。

それでもイラストレーターを目指すべきか?制作を通じて身につく一生モノのスキル

「そんなに厳しいなら、やめさせた方がいいのでは?」と思われるかもしれません。 しかし、私たちは、子供が本気なら(あるいは好きなら)、全力でやらせてみるべきだと考えます。なぜなら、イラスト制作を通して身につくスキルは、イラストレーターにならなかったとしても、社会で強力な武器になるからです。

イラストレーターを目指す過程で身につく3つのスキル

漫然と落書きをしているだけでは身につきませんが、ルールを守って制作することで、以下のスキルが育ちます。

1.高度なITリテラシー
現代のイラスト制作はPCやタブレットが必須です。専門ソフトを使いこなす中で、大人顔負けのITスキルが自然と身につきます。

2.プレゼン・可視化能力
頭の中にあるモヤモヤしたアイデアを、目に見える形(図や絵)にする力です。これはビジネスの企画書作成などでも重宝されます。

3.PDCAサイクル(改善の習慣)
描く(Do)→見直す(Check)→修正する(Action)を繰り返す作業は、仕事の進め方の基本そのものです。

仕事にするなら「描きたい絵しか描かない」リスクにも注意

もちろん、あくまで趣味や息抜きとしてイラストを楽しむのであれば、自分の好きな絵だけを自由に描いていて全く問題ありません。それは素晴らしい趣味になります。

しかし、この記事のテーマは「将来イラストレーターになりたい(=仕事にしたい)」というお子様への向き合い方です。仕事として目指す以上は、「描きたい絵しか描かない」という姿勢のまま成長することには、大きなリスクが伴います。

もし、自分のこだわりだけで突き進み、万が一トップクリエイターになれなかった場合どうなるでしょうか。「他者の要望に応える」という訓練をしていないため、そのスキルを他の仕事に転用することができず、キャリアの選択肢を自ら閉ざしてしまうことになりかねません。

「好き」を仕事にするからこそ、今のうちから相手のために描く経験を積んでおく。それが、将来もしもの時の保険にもなるのです。

イラストレーターから広がるキャリアデザイン

イラストを通じた「他者の要望に応える」経験は、クリエイターとしての子供の可能性をに広げます。

  • UI/UXデザイナー(アプリやWebのデザイン)
  • Webディレクター
  • マーケター(SNS運用など)
  • 3Dクリエイター

どの業界でも「絵心があり、ITツールが使え、期限を守れる、課題を解決してくれる人」は、引く手あまたの人材です。イラストを学ぶ時間は、将来の選択肢を広げるための立派な教育投資になるのです。

子供の夢を応援する具体的なサポートと練習方法

では、家庭ではどのようにサポートすればよいのでしょうか。 お金をかけずにできる、効果的な方法をご提案します。

親がクライアント役になる「お仕事ごっこ」で楽しく学ぶ

ただ「上手だね」と褒めるのではなく、親子で「仕事ごっこ」をしてみてください。

1.親が正式に「発注」する 
「おばあちゃんの誕生日に送る、花束の絵を描いてください。期限は来週の日曜日までです」と依頼します。

2.検収(チェック)を行う
ここがポイントです。子供が「できた!」と持ってきても、発注内容と違えばやり直しをさせます。「花束はピンク色にしてって言ったよね?」「丁寧に塗れていないから、ここは修正してください」と伝えます。

3.納品完了
親(クライアント)がOKを出して初めて「完了」です。

この遊びを通じて、子供は「自分の描きたい絵」ではなく、「相手の要望に応える絵」を描く難しさと、喜んでもらえた時の達成感を安全に学ぶことができます。

アタムアカデミーでは、イラストレーターの体験ができます

「親が修正を指示すると、喧嘩になってしまう……」 
「デジタル/イラストのことはよく分からない」

そのような場合も、アタムアカデミーでは、プロのイラスト講師が親御さんに代わって、技術と心構えを指導しています。

「仕事としてのイラスト」も学ぶ

アタムアカデミーのカリキュラムでは、「グッズ制作」や「イラスト制作」など、クライアントワークを想定した課題にも取り組みます。

講師からは「どうしたらもっと伝わるかな?」という修正指示が入ります。 グループレッスンで友達の作品を見ることで、「自分とは違う表現」を受け入れる柔軟性も育ちます。

参考記事:2024年8月・9月の講座 みのまわりのものをデザイン!オリジナルグッズ販売体験

参考記事:2024年10月・11月の講座 注文を受けて描く イラストレーターになりきろう!

イラストは個人競技だから、温度差があっても大丈夫

「ウチの子は趣味レベルだけど、ついていけるかしら?」という心配は大丈夫です。 野球やサッカーなどのチームスポーツとは違い、イラストは個人競技です。

  • プロを目指してストイックに描く子
  • 趣味として楽しく、でも真剣に描く子

それぞれのペースで、それぞれの課題に向き合えます。周りに迷惑をかける心配も、足を引っ張られる心配もありません。共通しているのは「ルールを守って、最後までやり遂げる」という約束だけです。

社会に出るための準備をしよう

誰かのために描く、期限を守る、修正を受け入れて改善する。 これらはイラストレーターに限らず、すべての社会人に必要なスキルです。

私たちは、お子様の「イラストレーターになりたい」という夢は、社会で生き抜く力を身につける絶好のチャンスだと考えています。

アタムアカデミーではイラストレーターのお仕事体験ができる

アタムアカデミーではイラストレーターのお仕事を体験する講座をご用意しております。

イラストレーターの仕事の流れの体験を通して、自分の技能を他者のために活かすことや、依頼者とのコミュニケーションの楽しさ・大切さを知ることができます。

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