イラストノウハウ
人物・キャラクターの描き方

初心者も簡単!かわいいお姫様ドレスのイラストの描き方

  • 描き方

ファンタジーイラストやキャラクターデザインにおいて、お姫様のドレスは主役となる重要なモチーフです。しかし、ドレスの構造、フリルやシワの描き方も難しく感じることもあります。

この記事では、お姫様ドレスのデザインの種類(シルエット・袖・襟)の基礎知識から、デジタルイラストでの具体的な描き方・色の塗り方のメイキングまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

お姫様ドレスの種類とデザイン

まずはドレスのシルエットやパーツごとの名称を知りましょう。これらを自由に組み合わせることで、キャラクターの個性や世界観に合った理想のお姫様ドレスを描くことができるようになります。

ドレスの基本シルエット

キャラクターの性格や雰囲気に合わせて、土台となるシルエットを選んでみましょう。

  • Aライン:アルファベットの「A」のように、ウエストから裾に向かって直線的に広がるデザインです。清楚で上品な印象を与えます。イラストでは、ウエストから裾へ、直線的できれいな斜めのラインを描きましょう。
  • プリンセスライン:コンパクトな上半身と、ウエストからふんわり大きく広がるボリュームのあるスカートが特徴です。王道のお姫様らしい可愛らしさを演出できます。イラストでは、上半身を小さく、スカートを大きく膨らませることで、ボリュームを強調します。
  • マーメイドライン:体にフィットし、人魚の尾ひれのように膝あたりから裾に向かって広がるデザインです。 曲線美が強調され、シックで大人っぽい印象になります。イラストでは、ボディラインのS字カーブと、膝下の人魚の尾ひれのような広がりを強調しましょう。
  • スレンダーライン:身体のラインに沿った、シンプルで細身のシルエットです。ナチュラルで落ち着いた印象を与えたいときにオススメです。イラストにする場合は、縦のラインを強調し、生地のドレープを柔らかく表現します。
  • エンパイアライン:胸下での切り替えと、ストンと落ちるスカートが特徴です。ギリシャの女神のような、清楚で神秘的な印象を作れます。イラストでは、胸下の切り替え位置を明確にし、スカートを垂直にストンと落としましょう。

スカートのデザイン

スカートの装飾を変えるだけで、イラストの華やかさが大きく変わります。

  • オーバースカート:ドレスの上からさらに別の布を重ねるデザインです。素材の描き分けでボリュームをプラスできます。イラストに描くときは、本体のドレスに密着させず、別布の透け感や重なりの影を意識してふんわりと被せて描きましょう。
  • ティアードフリルを何段にも重ねたデザインです。フェミニンで圧倒的なボリューム感やゴージャスさを出したいときにおすすめです。イラストでは、下の段にいくほど円周を広げ、ランダムにうねる波線でフリルの圧倒的なボリュームを描きましょう。
  • プリーツ:布に規則正しいひだをつけたデザインです。縦のラインが入ることで、服に動きや表情がつきます。イラストでは、裾をギザギザの形にし、光の当たる面と折り目の奥の明暗差をハッキリと描き分けましょう。

スカート丈による印象の違い

  • ロング丈(足元まで):品格があり、優雅・高貴な印象を与えます。
  • ミディアム丈(膝下):足元を綺麗に見せ、上品かつ活発な印象になります。
  • ミニ丈(膝上):足を長く見せ、若々しく可愛らしい印象になります。

首元(ネックライン)のデザイン

顔まわりの印象を左右する重要なパーツです。

  • ラウンドネック:首に沿った円形の襟です。優しく親しみやすい印象になります。イラストでは、首の付け根に沿って滑らかな曲線を引き、丸みを持たせることで柔らかさを強調しましょう。
  • スクエアネック:四角く切り取られた襟。直線的なラインがクラシカルで格式高い美しさを引き出します。イラストでは、縦横の直線を使い、襟の角をしっかり立たせることで、クラシカルなカチッとした硬さを表現します。
  • Vネック:V字にカットされた襟です。デコルテがスッキリし、シャープな印象を与えます。イラストでは、鎖骨から胸の中心に向かってシャープな直線を引き、デコルテをしっかり見せてスッキリ感を演出しましょう。
  • オフショルダー:肩を大きく出したデザインです。女性らしさと抜け感を演出できます。イラストでは、鎖骨と肩を完全に露出させ、二の腕を包み込むように水平のラインを引いて肩の丸みを際立たせます。
  • ビスチェ:肩紐がなくデコルテを大きく露出したデザインです。フェイスラインがスッキリ見えます。肩紐を描かず、胸の膨らみに沿ってタイトにフィットさせ、脇から胸元にかけての曲線を立体的に描きます。
  • ハイネック:首を覆う立て襟です。アンティークで厳かな雰囲気を作りたいときにオススメです。イラストでは、首の筒を覆うように襟を高く描き、首の動きに合わせた布のシワやたるみを少し入れてフィット感を出すのがポイントです。
  • ホルターネック:首の後ろで布を留めるデザインです。背中が大きく露出するため、セクシーで大人っぽい印象になります。イラストでは、胸元から首の後ろに向かって紐を引き上げるように描き、肩周りや背中の大胆な露出を強調します。
  • ボートネック:鎖骨に沿って緩やかに広がる襟です。首元を華奢に見せ、エレガントな印象を演出します。イラストに描くときは、鎖骨のラインに沿って、肩先まで届くような浅く広いカーブを描き、首の付け根を隠して上品に仕上げます。
  • ワンショルダー:片方の肩だけを出すアシンメトリーなデザインです。個性的で上品な印象を与えます。イラストでは、片側の肩だけを露出し、胸元に斜めのラインを引いて、布が片側に引っ張られるアシンメトリーな構造を表現します。

袖(スリーブ)のデザイン

腕の描き方ひとつで、キャラクターの華奢さや力強さを表現できます。

  • ノースリーブ:袖がないデザインです。涼しげで軽やかな印象を与えます。イラストでは、腕の付け根のラインをスッキリと描き、肩から腕への自然な曲線を際立たせましょう。
  • パフスリーブ:肩周りをふんわりと膨らませた袖です。お姫様イラストの定番で、女性らしい可愛らしさが出ます。イラストでは、肩の付け根にギャザー(細かいシワ)を寄せ、風船のように丸く立体的なボリュームを持たせます。
  • タイトスリーブ:腕にフィットした細い袖です。洗練された、都会的で知的な印象を与えます。イラストでは、腕のラインにぴったり沿わせ、関節(肘)周りにだけ少しシワを入れてフィット感を強調します。
  • ベルスリーブ:袖口に向かってベルのように広がる袖です。手首を華奢に見せ、フェミニンな印象を与えます。イラストでは、肘から袖口に向かって大きく広げ、手首周りにゆったりと波打つようなドレープを描きます。

お姫様ドレスの描き方

ここからは、実際にお姫様のドレスを描く手順を解説します。今回は、優雅・上品・可愛らしいをテーマにしたお姫様を例に、メイキング形式で進めていきましょう。

お姫様ドレスのアタリの取り方

描き始める前に、素体(キャラクターの身体)を描き、その上からドレスの大まかなシルエットを重ねてアタリを取ります。あらかじめ完成のイメージを固めておくことで、その後の作業がスムーズになります。

優雅・上品・可愛らしいをテーマとしてアイデア出しを行った結果、今回のお姫様ドレスは次のような特徴で描いていきます。

  • ヘアスタイル:髪はまとめて上品にする
  • スカートのデザイン:オーバースカートで豪華に演出する
  • スカートの丈:ロングだけで足元を隠して優雅に表現する
  • 首元のデザイン:オフショルダーで女性らしい可愛らしさを表現する
  • 袖口のデザイン:ベルスリーブで女性らしい可愛らしさを表現する

お姫様ドレスの線画の描き方

ドレスの線画を描くときは、布の柔らかさや質感を意識することが大切です。

  • 線の太さに強弱をつける:上に重なる手前の部分は太く、奥側になる部分は細く描くと立体感が出ます。
  • 描き込みすぎない:スカートのヒダやフリルのシワは、すべてを線で囲わず、主張しすぎないように描くと柔らかさが出ます。

参考記事:初心者も簡単!キレイな線画の描き方

ドレスの線画を描く際に、すべての線を同じ太さで描いてしまうと、塗り絵のような平面的で硬い印象になってしまいます。ドレスの立体感を線画だけで表現するには、明確な基準を持って使い分けるのがコツです。

  • 太い線がおすすめ:フリルの重なり合っている根元、オーバースカートとスカートの境界線、手前に大きく広がっているスカートの輪郭など、影になる部分や手前にあるものは太い線で描きましょう。
  • 細い線がおすすめ:生地の表面にできる緩やかなシワ、光が当たっている肩やデコルテのラインなど、明るい部分や繊細に見せたい場所には細い線を使います。

また、スカートのシワやヒダをすべて線でカチッと繋げて描きがちですが、そうすると布ではなくプラスチックのような硬さに見えてしまいます。布のフワッとした柔らかさを出すには、シワの始まりと終わり(裾に向かう流れ)だけを描き、真ん中の線をあえて繋げずに隙間を作る(線を抜く)のがコツです。主張しすぎないように注意して、スカートのヒダを描きましょう。

お姫様ドレスの色の塗り方

線画ができたら、ドレスの華やかさを決める着彩に入ります。

まずは全体のベースとなる色を塗っていきます。今回はメインカラーをピンクとし、リボンやフリルなどの他のパーツも、薄ピンクや白色といった同系色(グラデーションに近い色合い)でまとめていきます。

ベースカラーのピンクでドレスを塗り、オーバースカートは薄ピンクで塗ります。また、オフショルダーは薄ピンクと白色でグラデーションを表現しています。同系色でまとめることで、初心者でも統一感のある配色になりました。

参考記事:初心者も簡単!配色・色選びの基本

ベースを塗り終えたら、いきなり細かい影を描き込むのではなく、まずは大きめのソフトブラシ(エアブラシなど)を使って、ドレス全体のおおまかな立体感を出していきます。

この段階でグラデーションを仕込んでおくと、仕上がりのクオリティがアップします。表現したいドレスの質感に合わせて、以下の2つを使い分けてみてください。

  • 軽さを出したいとき:白に近い色でグラデーション
  • 重さを出したいとき:濃い色でグラデーション

軽さや透明感を出したいとき(シフォンやレースなど)は、スカートの裾などに向かって、白に近い明るい色でフワッと明るいグラデーションをかけます。光が透けているような軽やかな仕上がりになります。

一方で、重厚感や深みを出したいとき(サテンやベルベットなど)は、足元の影や、奥まった内側のパーツなどに向かって、メインカラーよりも少し濃い色(彩度高めの紫など)で暗いグラデーションをかけます。ドレスの重みや高級感を表現できます。

大まかなグラデーションを入れたあと、布の重なりやシワの折り目に合わせて、パーツごとにハッキリとした境界線のある影を落としていきます。グラデーションによる柔らかい影とパーツごとのパキッとした強い影の2種類が組み合わさることで、イラストに立体感とメリハリが生まれます。

参考記事:初心者も簡単!イラストの影の付け方

全体に影を塗り終えたら、最後に光が最も強く当たる部分にハイライトを入れます。特にお姫様ドレスでおすすめなのが、肩周りやデコルテ(鎖骨周辺)、胸元のトップにピンポイントで光を入れることです。肌の潤った艶感が強調されるだけでなく、ドレスの生地がシルクやサテンのような光沢のある上質な素材に見えるようになり、一気に高級感を引き立てることができます。

参考記事:初心者も簡単!クオリティを上げるハイライトの入れ方

お姫様ドレスの仕上げ方

最後に、線画の色をイラスト全体に馴染ませます。

真っ黒な線画のままだと、ドレスの柔らかい色合いから線だけが浮いてしまうことがあります。線の色を赤みのある茶色や、ドレスと同系の濃い色に変更してみましょう。これだけで、イラスト全体に一気に温かみと柔らかさが生まれて完成です。

参考記事:初心者も簡単!イラストの仕上げ加工のやり方

ウェディングドレスの描き方

お姫様ドレスの応用として、純白のウェディングドレスの描き方も紹介します。

白いドレスの塗り方のコツ

純白のウェディングドレスを描くときは、影色の選び方が重要です。

  • 影色は環境色に合わせる:真っ白なドレスは周りの色を反射します。影色にグレーをそのまま使うと画面がくすんでしまうため、彩度を落としたパステルカラー(薄い紫や青)を選ぶと、透明感が出て綺麗に馴染みます。
  • ハイライトの入れ方:シルクやサテンのような純白の光沢感を表現するため、光の当たる位置に大きめのハイライトを入れていきましょう。

参考記事:初心者も簡単!影の色味の選び方

透明感のあるベールの描き方

ウェディングドレスに欠かせないベールには、主に3種類があります。

  • ショート:肩から背中までの長さ。軽やかで、背中や腰にポイントがあるドレスにおすすめです。イラストでは、ベールの長さが短い分、空気をはらんだようなふんわりとした軽やかさや、少し風になびくような動きをつけると可愛らしく仕上がります。
  • ミディアム:背中から膝くらいの長さ。最もポピュラーでバランスが良いタイプです。イラストに描くときは、肩から腕、腰へと流れるような布のドレープ(ひだ)を丁寧に描くと、上品で王道なシルエットになります。
  • ロング:床に届く長さ。バージンロードに広がる姿が美しく、豪華な演出ができます。イラストでは、長くしなやかな布の重みを表現するために、途切れないスッとした長い線でドレープを描くのがコツです。

今回は、王道のミディアム丈のベールを描いていきます。

  1. キャラクターのアタリに合わせて、ベールの外側の線画を描きます。
  2. ベールの内側を「白」もしくは「白に近い色」で塗りつぶします。
  3. 塗りつぶしたベールレイヤーの合成モードを「スクリーン」に変更し、不透明度を好みの透け感(60〜80%)に調整します。

スクリーンモードを使うことで、下のドレスが透けて見える、透明感のあるベールを簡単に表現できます。最後にベールの線画の色を白や薄いグレーになじませたら完成です。

ドレスのイラストをかわいく描くコツ

スカートは大げさなくらい広げる

スカートは、少し大げさなくらい横に広げて描いた方が、プリンセスらしい華やかでかわいいシルエットになります。お椀をひっくり返したような、丸みのある立体的なラインをイメージして描いてみましょう。

逆に、広がりを抑えて縦のラインを強調すると、大人っぽくクールな印象に変化します。

顔周りの装飾(アクセサリー)を盛る

ティアラやイヤリング、ネックレスなど、顔周りの装飾品は必ず1〜2個は描くようにしましょう。

ドレス自体がとても華やかな衣装のため、アクセサリーがないと首から上が寂しくなり、アンバランスな印象になってしまいます。頭、耳、首元のいずれかに、キラキラした装飾をトッピングしてみてください。

参考記事:初心者も簡単!ヘッドドレスのイラストの描き方

フリルとシワで圧倒的な立体感を出す

ドレスのボリューム感や立体感は、フリルやシワの表現で大きく左右されます。

フリルの折り返しや、布が引っ張られてできるシワをデザインの中に積極的に組み込んでみましょう。また、スカートの布地を2重、3重とレイヤード(重ね着)していくのも、簡単に華やかさをアップできるおすすめのテクニックです。

参考記事:初心者も簡単!フリルのイラストの描き方

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