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特殊効果・テクニック

初心者も簡単!漫画のコマ割りの描き方

漫画のコマ割りの基本

「コマ割り」とは?

コマ割りとは、漫画のページ内でコマ(枠)の形や大きさ、配置を決める作業のことです。漫画制作の中でも重要な工程であり、ストーリーを読者にスムーズに伝えるための基礎となります。

コマ割りの役割と目的

コマ割りには読者の視線を自然に誘導する「ナビゲーション」の役割と、物語の時間経過やキャラクターの感情を伝える「演出」の役割があります。これにより、読者は物語の流れや登場人物の心理を直感的に理解できます。漫画のクオリティを左右する要素として、コマ割りの技術は欠かせません。

コマとコマ間の基本要素

漫画のコマは物語を切り取った「窓」のようなものです。一方で、コマ間(ガター)はコマ同士の間にある余白部分を指します。ガターの広さを調整することで、読者に時間の経過を感じさせることが可能です。例えばガターが広ければ場面転換や時間が飛んだ印象を与え、狭ければ短い時間や連続した動きを表現できます。

コマ割りの基本ルール

視線誘導の「Z」を意識する

日本の漫画は「右上から左下」にかけて読むのが基本です。この流れはアルファベットのZに例えられます。この「Z」の動きを意識してコマを配置することで、読者は迷わず自然に読み進めることができます。

コマの間隔を整える

上下の段の間隔は広く、左右のコマの間隔は狭く取るのが基本です。これは視線は間隔が狭い方へ流れやすいことを利用して、右から左に視線が流れるようにしています。

ただし、場面転換では上下左右にかかわらず、間隔を広く取りましょう。

コマの大小でメリハリをつける

漫画を魅力的にするには、重要なシーンを際立たせる「見せゴマ」を大きく配置し、その他のコマを小さくすることでメリハリをつけるのがポイントです。この大小のバランスを整えることで、ページ全体にリズムが生まれ、読者にとってどこが注目すべき場面なのかが明確になります。

1Pあたり5〜7コマを目安とする

初心者は1ページあたり5~7コマ程度が目安です。最大でも8コマ以内に収めましょう。詰め込みすぎると読みにくくなります。情報を整理し、コマ数を絞る勇気も必要です。

変形コマで演出する

通常の四角形コマは日常的な場面や説明的シーンに最適で、安定感があります。一方で斜めのコマや変形コマを用いると、アクションシーンや心理的な動揺を効果的に表現できます。

ただし、斜めのコマや変形コマを多用すると読者に負担がかかるため、特に印象的なシーンに限定して使うようにしましょう。

コマ割りの描き方

ネームを描く

ネームとは、漫画を描く際の設計図のようなものです。ここではコマ割りや構図、キャラクターの表情やセリフなどを簡単に描き込みます。

ネームを丁寧に作成することで、本描きの段階でのミスや修正を大幅に減らすことが可能になります。初心者の方でも、ネームから取り組む習慣をつけると良いでしょう。

「見せゴマ」を決める

ページ内で最も印象的に見せたいシーンを決定し、そのコマを大きめに配置します。この見せゴマを中心に考えることで、そのページ全体の構成がまとまり、他のコマの配置もスムーズになります。

視線の流れに沿って残りのコマを配置する

「見せゴマ」を決めたら、ページ内の残りスペースにその他のコマを配置します。ここでも「Z」の視線誘導を忘れずに、コマの大小バランスを調整しながら、自然な流れで読み進められるように配慮しましょう。

コマ割りテンプレートを活用する

初心者の方はClip Studio Paint(クリスタ)などのお絵かきソフトに搭載されているコマ割りテンプレートを活用すると便利です。テンプレートをベースにコマを配置することで、作業時間が短縮され、初心者でも簡単に整ったコマ割りを作成できます。

漫画のコマ割りの失敗例と改善策

ここからは、初心者がやりがちなコマ割りの失敗例や避けるべきタブーについて説明します。

視線の流れが混乱している

コマ配置がバラバラだと、読者は次にどこを読めばよいのか混乱します。基本的な読み順ルールを守り、スムーズな視線誘導を意識しましょう。

コマの大きさが全部同じ

全てのコマが同じサイズだと、大切な場面が際立ちません。重要なシーンを描く際には大きなコマを活用し、視覚的に強調しましょう

キャラクターの向きがバラバラ

会話シーンなどでキャラクターの位置や向きがコロコロ変わると、読者の混乱を招きます。キャラクターの配置や向きを統一することで、読み手に違和感を与えない工夫が必要です。

フキダシが視線を邪魔している

セリフのフキダシがキャラクターの表情を隠してしまったり、視線誘導を妨げたりすると、漫画の魅力が半減します。フキダシの位置もよく考えて配置しましょう。

上手い漫画のコマ割りテクニック

コマからはみ出す(タチキリ)

コマ枠から絵がはみ出す描き方(タチキリ)は、キャラクターを強調したり、アクションシーンなどでスピード感や迫力を増す効果があります。ただし、多用は避け、強調したい場面に限定しましょう。

コマの重ね合わせ

時間の連続性を表現したい場合や複数のシーンを同時進行で見せたい場合、コマを重ねることで臨場感が増します。巧みに使えば映画的な効果を生むことができます。

めくりと見開きを意識した構成

ページ最後に次の展開を気にさせる「引き」を入れ、次のページ冒頭でインパクトを与える「めくり」を使うと、読者の期待を高めることができます。また重要なシーンは見開き2ページで描くと、より強烈な印象を与えられます。

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