イラストノウハウ
モチーフ・モチーフ表現

初心者も簡単!猫の顔のイラストの描き方

  • 描き方

この記事では、イラスト初心者でも分かりやすく形を捉えられる猫の顔の描き方を詳しく解説します。

正面や横向きといった基本的なアタリの取り方から、猫の表情を左右する目の仕組み、さらにかわいらしく簡略化したデフォルメと、本物に近いリアルな描き方というスタイル別の表現方法まで詳しく説明しています。

なお、他の動物をバランスよく描くコツについては、「初心者も簡単!動物のイラストの描き方」の記事で紹介しています。また、首から下の全身のバランスやポーズについて知りたい場合は、「初心者も簡単!猫のからだのイラストの描き方」で詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

猫の顔の特徴

まず、猫の顔がどんな作りになっているかを知っておきましょう。ただ形をなぞって覚えるのではなく、なぜそういう形に見えるのかという理由まで分かると、描いている途中で迷うことが少なくなります。

  • 輪郭:丸や逆三角形に近い形
  • 目:つり目やアーモンド形のような切れ長な目
  • 鼻・口:小さめの鼻と、ぷっくりとしたマズル(ωの部分)
  • ヒゲ:中心から外に向かってピンと伸びる長いヒゲ
  • 耳:頭の上部に立つ三角形の耳

猫の輪郭は、丸みのある形や、逆三角形に近い形をしています。これは、猫の頭の骨が、脳を包む部分は丸く大きく、あごの骨は小さくまとまっているためです。イラストを描くときは、最初に大きな丸、または逆三角形のアタリを置くことから始めると、あとで顔全体のバランスが崩れにくくなります。

目は、目頭より目尻が持ち上がった、切れ長のアーモンドのような形をしています。猫は夜でもわずかな光を集めて周りを見るために、眼球そのものが大きく、それを収める骨のくぼみも人間よりずっと深く作られています。眼球が大きいぶん、まぶたが斜めにかぶさるようにして収まるため、目尻が上がったような形に見えるのです。描くときは、目頭から目尻へ向かって少し斜め上に線を引き、顔の中心からやや離した位置に置くと、猫らしい鋭さと丸みが同時に出ます。

鼻と口はとても小さく、その周りにはマズルと呼ばれる、ひげの生えたふくらみがあります。この部分には、ひげを一本ずつ動かすための筋肉と、ひげの根元にある感覚器官を守る脂肪が集まっているため、丸くふっくらとした形になります。描くときは、鼻と口を小さくまとめたうえで、その周りに柔らかいカーブを重ねてふくらみを表現しましょう。

耳は、頭の上に立つ、立体的な三角形です。少しでも多くの音を集められるように、内側がすり鉢のようにくぼんでいて、前後左右に自由に動かせる構造になっています。平らな三角形として描くのではなく、内側のくぼみと、フチの厚みを意識して描くと、音を集める器官らしい立体感が出ます。色を塗るときは、耳の内側を影で少し暗くすると、奥行きがより伝わりやすくなります。

なお、猫の性別によっても顔立ちの印象は変わります。メスの猫は骨格が細く、体の脂肪も少ないため、輪郭がシャープな逆三角形になりやすい傾向があります。一方オスの猫は、なわばり争いなどで顔を守るために皮膚や皮下の組織が厚くなりやすく、頬のあたりがふっくらとした丸顔になることが多いです。描きたい猫のイメージに合わせて、輪郭の描き方を選んでみてください。

正面向きの猫の顔の描き方

まずは基本となる、正面を向いた猫の顔の描き方を見ていきましょう。

猫の顔のアタリの描き方

最初に、顔の土台となるアタリを描きます。横に少し長めの丸を描いてください。猫の頭の骨そのものは、縦と横の長さにそれほど差がありませんが、その周りにふんわりとした毛の厚みが加わるため、実際のシルエットは横に広がって見えます。そのため、丸も横長にしておくと、仕上がりが猫らしい形になります。

デジタルで描いている場合は、左右対称ツールを使うと、丸の形が左右でずれずに整うので、土台作りがスムーズになります。

参考記事:【スケッチブック】対称ツールの使い方(対称X・対称Y・放射状)

丸が描けたら、耳や目、口といったパーツを正しい位置に置くための基準線を引きます。丸の中心を通るように、縦と横に一本ずつ線を引き、十字を作ってください。さらにその線を半分に分ける目印もつけておくと、パーツどうしの間隔や上下のバランスが偏りにくくなります。

顔のパーツを配置する

基準線を目安に、顔の細かいパーツを置いていきます。目は、横の基準線より少し上、目頭から目尻にかけて斜め上に上がるように配置しましょう。目頭と目尻の境界を少し濃くはっきり描くと、猫らしい鋭さと愛らしさが同時に出ます。

鼻は、縦の基準線の上に、小さな逆三角形として置きます。猫の鼻先は、人間の鼻のように前へ高く突き出すことがなく、平らな面がほぼ正面を向いています。そのため、小さくシンプルな図形として描くだけで十分に自然に見えます。

口元は、鼻の下から左右に分かれるように、ゆるやかに波打つ線で描きます。このカーブが、猫らしいふっくらとした口元の印象につながります。

猫の毛流れとヒゲを描く

パーツが置けたら、ふわふわとした質感を作るための毛流れとひげを描き足します。猫の毛は、額の真ん中や鼻すじを起点として、そこから外側へ向かって放射状に生えています。これは、雨などで顔についた水が一か所にたまらず、外へ自然に流れ落ちるようにするための仕組みです。イラストでも、この中心から外へという流れに沿って短い線を重ねると、毛の立体感が出やすくなります。

ひげも同じように、ふっくらとした口元の中心から外側へ向けて、まっすぐ伸ばすように描きます。耳の内側にある飾り毛も、耳の奥から外側のフチへ向かって描き足すと、耳の奥行きと柔らかさが伝わります。

猫の顔の線画の描き方

全体のバランスが整ったら、仕上げの線画に入ります。ここで気をつけたいのは、すべての線をすき間なくつなげてしまわないことです。輪郭を一本の線でぐるりと囲んでしまうと、プラスチックのような硬い質感に見えてしまいます。

毛束が重なる部分や、光が当たって明るく見える部分は、あえて線を少し離してすき間を作ってください。そうすることで、見る人の頭の中で、ふんわりとした毛の質感が自然に補われます。

目の周りのアイラインや、口元の影になる部分は、少し太めに力強く描きましょう。猫の目の周りには黒っぽい縁取りのような模様があるため、ここを強調すると目が引き立ち、表情がより豊かに見えます。線画が終わったら、好きな色を丁寧に塗って正面顔を仕上げてください。

横向きの猫の顔の描き方

続いて、横向きの猫の顔の描き方を紹介します。奥行きの捉え方が難しく感じられるかもしれませんが、アタリさえしっかり作れば、立体の仕組みがつかみやすくなります。

猫の横顔のアタリの取り方

正面のときと同じように、横に少し長い丸を描き、中心に縦横の基準線を引きます。ここからが横顔のポイントです。猫の頭を横から見ると、脳が入っている丸い部分から、鼻や口が前方へ突き出しているのが分かります。そのため、ベースの丸の下半分、前側の位置に、もう一つ小さな丸を重ねて描き足してください。これが、ひげの生えるマズルの立体的なアタリになります。

耳は、頭の真上ではなく、頭のてっぺんから少し後ろに下がった位置に配置します。これは、耳の穴につながる骨の部分が、頭のやや後ろ寄りにあるためです。平らな三角形ではなく、厚みのある三角錐が頭に乗っているようなイメージで描くと、立体感がぐっと増します。

参考記事:初心者も簡単!猫耳(ネコ耳)の描き方

猫の横顔のパーツを配置する

アタリに合わせて、細かいパーツを形にしていきます。横から見た目は、中心の横線の上で、少しつり目になるように描きます。正面から見たときのようなきれいな楕円形ではなく、逆三角形に近い形に見えるのが横顔の特徴です。これは、球体である眼球にまぶたが斜めにかぶさっている様子を、横から見ているために起こる見え方です。

毛流れやひげの描き方は、正面のときと基本は同じです。鼻先や目の周りを起点として、顔の内側から首すじや耳のほうへ流れていくように、線を重ねていきましょう。

横向きの猫の顔の線画を作成して色を塗る

パーツの配置が終わったら、仕上げの線画に入ります。横を向いた目を描くときは、上側のアイラインを特に太く、しっかりと描いてください。上まぶたには一定の厚みがあり、その下に影ができるため、上の線を強調することで自然な立体感が生まれます。

口元を描くときは、下あごの大きさに注目しましょう。猫の骨格は、鼻先を含む上あごが大きく前に出ているのに対し、下あごはひとまわり小さく、奥に引っこんだ形をしています。下あごを前に出しすぎると、人の顔のような不自然な印象になってしまうため、上あごの下に小さく収まるように描くのが、猫らしさを保つポイントです。

線画が整ったら、好きな色を乗せて横顔を仕上げてください。

猫の目の描き方

猫の目は、表情や雰囲気を大きく左右する、もっとも大切なパーツです。ここでは目の描き方を詳しく見ていきます。

基本の猫の目の描き方

まず、横に長いきれいな丸を基準として描きます。その中に、猫特有の切れ長な形を当てはめていきましょう。

ここで大切なのは、目頭と目尻の位置関係です。目頭よりも目尻がやや斜め上にくるよう、アイラインを一本の直線に近づけて描いてください。猫の眼球が収まる骨のくぼみはもともと斜めに傾いているため、この傾きを再現すると、野生の肉食動物らしい引きしまった目の形になります。

この土台に沿って、なめらかな線画を描き起こしていきましょう。

猫の瞳孔の描き分け

目の中の黒目、つまり瞳孔は、周りの明るさや気分によって大きく形を変えます。この変化を使い分けると、猫の表情や場面をより豊かに伝えることができます。

  • 暗い場所:光を取り込むため、円形に丸く大きく開く
  • 明るい場所(日中など):光を遮るため、縦長に細く(スリット状)なる
  • 興奮時や狩りのとき:まん丸に大きく開く
  • リラックスしている場合:適度に開いた楕円形(アーモンド形)

まわりが暗い場所では、少しでも多くの光を取りこもうとして、瞳孔は丸く大きく開きます。獲物を見つけて興奮しているときも、同じようにまん丸に近い形になります。逆に、日中の強い日差しの中では、まぶしさから網膜を守るために瞳孔が縦に細くしぼり、針のような形になります。

家の中でくつろいでいるような、ふだんの状態では、丸と細い形のちょうど中間、少しふっくらとしたアーモンドのような楕円になります。

描きたい場面に合わせて、瞳孔の形を選んでみてください。晴れた屋外を歩く場面なら細く、何かをじっと見つめている場面なら丸く大きく描くことで、見る人にもその場の状況が自然と伝わります。

スタイル別の猫の描き分け方

基本の描き方に慣れてきたら、イラストのテイストに合わせて描き方を変えてみましょう。

デフォルメなかわいい猫の描き方

親しみやすくかわいい猫を描きたいときは、実際の特徴を思いきって簡単な形に置きかえ、目立たせたい部分を大きく見せる、デフォルメという方法を使います。

参考記事:初心者も簡単!イラストをデフォルメ化する描き方

このときは、複雑な肉づけを考えず、顔全体は丸、耳はシンプルな三角形というように、簡単な図形の組み合わせだけで土台を作ります。目や鼻、口といったパーツは、顔全体の中心よりも少し下に集めて描くのがコツです。人間の赤ちゃんや動物の子供は、頭の大きさに対して顔のパーツが低い位置に集まっているため、この比率を取り入れると、見る人が本能的に幼さやかわいらしさを感じるイラストになります。

線画は少し太めのペンを選び、線をきっちりつなげずにあえて離す部分を作ると、軽やかで親しみやすい雰囲気が出ます。基本の形に慣れてきたら、耳を少し垂らしたり、目を丸くしてみたりして、色々なキャラクターを表現してみてください。

参考記事:初心者も簡単!ゆるい動物のイラストの描き方

リアルな猫の描き方

本物に近いリアルな猫を描くときは、基本の形を大切にしながら、実際の骨格や筋肉のつき方に近づけていきます。

とくにリアルさを左右するのが、鼻と口のまわりの細かい表現です。猫の鼻の頭には毛が生えておらず、匂いをよく感じ取るための細かい溝があります。これを正面から見ると、単なる三角形ではなく、ゆるやかなハート形や、アルファベットのTの字に近い形に見えます。

ひげの生えるマズルの部分も、ただの平らな面ではなく、ふっくらとした半球が2つ並んでいるような立体として捉えましょう。光と影のゆるやかなグラデーションを使ってふくらみを表現すると、より本物らしく見えます。

色を塗る段階では、実際の毛の生え方の流れを細かく再現していきます。デジタルで描いている場合は、線の端がざらついた質感になるテクスチャブラシや、細い線を平行に重ねるハッチングという技法が使えるブラシを選ぶと、空気を含んだ毛皮らしい柔らかさを出しやすくなります。

簡単な猫の描き方

短い時間でさっと猫を描きたいときは、デフォルメと同じように丸と三角形で顔の形を作るところから始めましょう。目と鼻、口の場所を決めるための目安として、中心の線と、顔の下側に横長の楕円を加えます。

線画に入るとき、目の形をどう描くかで、デフォルメ寄りになるかリアル寄りになるかが決まります。手早く描きたいときは、横長の線一本で目を表現するとまとまりやすいです。あとは好きなイメージに合わせて、耳やひげを描き足していくと、簡単な形のままでも猫らしさが増します。

表情別の猫の顔の描き方

耳と目、そして体の緊張ぐあいは、猫の気持ちに合わせて連動して変化します。それぞれの表情の理由を知っておくと、描き分けがしやすくなります。

リラックスしている猫の顔

くつろいでいるときの猫は、耳の力が抜けて、少し外側や横向きに傾きます。耳を持ち上げておく筋肉が緩んでいるため、自然と横に倒れるような角度になるのです。目も同じように、まぶたの筋肉が緩んで、半分閉じた眠たそうな形になります。口元も少し開き気味に描くと、体全体の力が抜けている雰囲気がより伝わります。

警戒している猫の顔

警戒しているときは、音の方向をすばやく捉えようとして、耳が頭にぴたっと張りつくように倒れます。顔全体にも力が入るため、鼻や目のまわりの皮膚が、外側や奥のほうへ引っぱられるように見えます。瞳孔は、状況に応じて開き切るか、逆に細くしぼるかのどちらかに寄せて描くと、緊張感が出しやすくなります。

怒っている猫の顔

怒っているときは、耳をさらに後ろへ大きく倒し、頭の丸みに沿わせるような角度にします。目は鋭くつり上がった形にし、口を大きく開けてシャーッと威嚇するような表情にするのもおすすめです。あごを少し引いた上目づかいのポーズにし、毛を逆立てるように描き足すと、体を大きく見せて相手を威嚇しようとする猫らしい迫力が出ます。

毛色・模様別の猫の顔の塗り方

同じ形の顔でも、色や模様の塗り方によって、見た目の印象は大きく変わります。

黒猫の塗り方

黒猫を塗るときは、黒からグレー、紺色までの範囲で色を選ぶと自然に仕上がります。黒猫らしい濃さを強調したいときは黒を、陰影も描きこみたいときはグレーや紺色をベースにするとよいでしょう。耳や鼻の色は、かわいらしさを出したいときはピンク、引きしまった印象にしたいときは黒を選ぶのがおすすめです。

白猫の塗り方

白猫は、白やアイボリーなど、白に近い色をベースに塗ります。陰影をつけるときは、周りの環境の色を少し取り入れると、浮いた印象にならず自然にまとまります。白猫や黒猫のように毛の色が単色に近い場合、目の色がより目立ちます。左右で目の色を変えるオッドアイにすると、神秘的な雰囲気を出しやすくなります。

キジトラの塗り方

キジトラを塗るときは、まずグレーから茶色の範囲でベースの色を決めます。模様は、額を中心にアルファベットのMの字を描くようなイメージで入れていきましょう。この模様は、額を起点に放射状へ広がる毛の流れに沿って現れるため、生えぎわを中心に左右対称を意識して描くと、自然にまとまります。三毛猫の斑点が左右ばらばらに散らばるのに対し、キジトラの縞にはこうした規則性があるので、体の中心線を基準に描くのがコツです。イメージがつかみにくいときは、実際の猫の写真を参考にしてみてください。毛の流れに沿って模様を描き足し、口元を白くまとめると、キジトラらしい顔が完成します。

三毛猫の塗り方

三毛猫は、白、黒、オレンジの三色を組み合わせて塗ります。この模様の一番の特徴は、決まった規則を持たないことです。キジトラの縞のように毛の流れに沿って並ぶわけではなく、黒とオレンジの斑点は、大きさも位置もばらばらに、左右非対称に散らばります。そのため描くときも、左右のバランスを整えようとしないことが大切です。片側に大きな黒のかたまりを置いたら、反対側には小さなオレンジの斑点を離して置く、というように、あえて崩す意識を持つと、三毛猫らしい自然な模様に近づきます。白、黒、オレンジの配分によって印象は大きく変わるので、実際の猫の写真を参考にしながら、描きたいイメージに近づけていきましょう。

アタムアカデミーのオンラインイラスト教室で猫の顔の描き方を学べる

アタムアカデミーのオンラインイラスト教室では、猫の顔の描き方を学ぶことができます。猫の顔の描き方を学べます。

正面や横向きの基本のアタリの取り方から、猫らしさを決める目の描き方、かわいいデフォルメとリアルといったスタイル別の描き分け方、毛色別の塗り方まで、猫の顔の描き方のポイントを基本から応用まで、講師とやりとりしながら練習できます。

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