イラストノウハウ
人物・キャラクターの描き方

初心者も簡単!キャラクターの設定・デザイン方法

魅力的なキャラクターを生み出す秘訣は、頭の中にある漠然としたイメージを、一つひとつ「設定として言語化」していくことです。

この記事では、初心者の方でも魅力的なオリジナルキャラクターをデザインできるよう、設定の考え方から設定画の描き方までを7つのステップで分かりやすく解説します。

魅力的なキャラクターデザインを生み出す7つのステップ

それでは早速、キャラクターデザインの具体的な手順を見ていきましょう。今回は例として「サビ猫」をモチーフにしたキャラクターを作っていきます。

ステップ1:キャラクターの「テーマ」を決める

最初に、キャラクターの核となる「テーマ」を決めます。テーマは、デザイン全体の方向性を決める重要な土台です。

例えばテーマを「ネコ」にする場合でも、

  • 特定の種類の猫(今回は「サビ猫」)をモデルにするのか
  • 猫を擬人化するのか
  • 猫耳や尻尾といったモチーフだけを取り入れるのか

など、様々な方向性が考えられます。

テーマを決めるときは、「何を」「どのように」キャラクターに取り入れたいのかを具体的に掘り下げることが、オリジナリティを生むための大切なポイントになります。

今回は「サビ猫のまだら模様」をデザインに取り入れることにします。

ステップ2:キャラクターの「性格・特徴」を絞り込む

次に、そのキャラクターの「性格」や「特徴」を決めます。

ここで大切なのは、たくさんの要素を詰め込みすぎず、最も伝えたい性格を1つか2つに絞り込むことです。性格の核が決まることで、キャラクターの表情やポーズ、ファッション、配色といった、後のデザイン工程でイメージがブレにくくなります。

今回は「楽天的で明るい性格」という設定にしてみましょう。

ステップ3:「性格」から「衣装・持ち物」を連想する

絞り込んだ性格をもとに、キャラクターの「衣装」や「持ち物」を考えていきます。これらは、キャラクターの性格を視覚的に表現するための重要な要素です。

今回のキャラクターは「楽天的で明るい性格」なので、きっちりしたスーツよりも、親しみやすいカジュアルな服装を選びました。窮屈すぎないオーバーサイズの服で、リラックスした雰囲気を出します。

さらに、「陽気な音楽を聴いていてほしい」というイメージから、ヘッドホンを持たせてみることにします。

この段階では、細かく描き込む必要はありません。「こんな服を着せたいな」「これを持たせたいな」というアイデアを、メモする感覚で決めていきましょう。

ステップ4:印象を決定づける「イメージカラー」を選ぶ

ここまでの設定で頭の中に固まってきたイメージをもとに、キャラクターの印象を決定づける「イメージカラー」を決めます。

たくさんの色を使いすぎると、全体の印象がぼやけて散漫になってしまいます。そこで、基本となる3色「メインカラー」「サブカラー」「アクセントカラー」に絞って選んでみましょう。

今回のキャラクターでは、これまでの設定を元に以下のように色を選んでみました。

  • テーマ:「サビ猫の模様」
  • 与えたい印象:「かっこいい」「明るい」

このイメージを、3つのカラーに落とし込んでいきます。

  • メインカラー(最も面積の大きい色) 黒をメインにすることで、全体を「かっこいい」印象に引き締めます。
  • サブカラー(2番目に面積が大きい色) オレンジを使うことで、「楽天的で明るい性格」を表現します。
  • アクセントカラー(最も面積が小さく、差し色として使う色) カーキグリーンをポイントで使うことで、自然体な雰囲気を出しつつ、デザインにメリハリをつけます。

このように、設定と連動させて色を選ぶことで、キャラクターデザインに一貫性が生まれます。配色については、初心者も簡単!配色・色選びの基本の記事を参考にしてください。

ステップ5:ミニキャラで「設定画」を描いてみる

いよいよ、これまでの設定を「絵」に起こしていく工程です。いきなりリアルな等身のイラストを描くのは大変なので、まずは簡単なミニキャラ(デフォルメキャラクター)で設定画を描くのがおすすめです。

ミニキャラで描くことには、以下のようなメリットがあります。

  • 時短になる: 細かい部分を描き込む必要がないため、素早くデザインを決められます。
  • バランスが取りやすい: 全体のシルエットや配色のバランスを確認しやすいです。

設定画を描くときは、体のパーツが重なってデザインが見えなくならないよう、手足を少し広げたシンプルな立ちポーズを意識しましょう。自分が描きやすい角度で構いませんが、デザインを「設定」するためのイラストなので、奇抜なポーズは避けるのが無難です。

ミニキャラの描き方は、初心者も簡単!ミニキャラ・ちびキャラのイラストの描き方の記事を参考にしてください。

ステップ6:シルエットと配色で完成度を高める

キャラクターの印象をより強くするために、「シルエット」を意識してみましょう。魅力的なキャラクターは、シルエットだけで誰だか分かるものです。

一度、描いたキャラクターをグレーで塗りつぶしてみて、そのシルエットが魅力的か、特徴が伝わるかを確認します。

シルエットが決まったら、グレートーンで色の配分を決めます。カラーで塗る前に明暗のバランスを確認することで、まとまりのある配色にしやすくなります。この段階で、配色パターンをいくつか作ってみて、最もイメージに近いものを選ぶのも良い方法です。

ステップ7:後ろ姿も描いて設定に深みを出す

正面のイラストが完成したら、ぜひ「後ろ姿」のデザインにも挑戦してみましょう。正面のイラストをコピーして左右反転させると、それをベースに簡単に描くことができます。

後ろ姿まで設定しておくことで、キャラクターが様々なポーズをとるイラストを描く際に非常に役立ちます。キャラクターの存在感がぐっと増し、設定に深みが出るのでおすすめです。

キャラクターデザインをVtuber・漫画に応用するコツ

ここで解説した基本のステップは、Vtuberや漫画など、様々なキャラクターデザインに応用できます。それぞれの媒体で特に意識すべきポイントをご紹介します。

Vtuberのキャラクターデザインで意識すべきこと

Vtuberのキャラクターは、Live2Dなどで動かすことが前提となります。そのため、動かしやすいデザインを意識することが重要です。

  • パーツ分けを考慮する: 髪、目、口、首、腕など、動かしたい部分をあらかじめ意識して、パーツごとにデザインを考えましょう。
  • 上半身のデザインを重視する: 配信画面では上半身、特に肩から上が映ることが多いため、髪型、アクセサリー、瞳のデザインなど、顔周りの個性を際立たせることが印象に残るコツです。
  • 一目で個性が伝わるデザイン: パッと見ただけで「どんなキャラクターなのか」が一目でわかるような、キャッチーなデザインを目指しましょう。

漫画のキャラクターデザインで意識すべきこと

漫画のキャラクターは、何度も繰り返し描く必要があります。そのため、作画コスト(描く手間)と個性の両立が重要です。

  • 描きやすさを考慮する: 複雑すぎる衣装や髪型は、作画コストを上げてしまいます。物語の中で何度も描ける、シンプルかつ魅力的なデザインを考えましょう。
  • 役割が分かるデザイン: パッと見て「主人公」「ライバル」「お嬢様」「学生」など、そのキャラクターの役割や職業が伝わるデザインに、個性をプラスしていくのが基本です。
  • 他のキャラクターとの差別化: 登場する他のキャラクターと並んだ時に埋もれてしまわないよう、髪型、身長、体格、イメージカラーなどで明確な差別化を図りましょう。

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