イラストノウハウ
人物・キャラクターの描き方

初心者も簡単!着物のイラストの描き方

  • 描き方

今回は、着物の構造といった基礎知識から、男女別の描き分け、リアルなシワの表現まで、着物のイラストの描き方を初心者向けに分かりやすく解説します。

和風なキャラクターを描くときには欠かせない着物の描き方を覚えて、キャラクター表現の幅を広げていきましょう。

着物とは?

着物とは、和服の中でも直線裁断された長着(ながぎ)のことを指し、日常着から礼装まで幅広い種類があります。

着物と和服の違い

和服とは、日本の伝統的な衣服の総称です。着物、浴衣、袴、甚平なども含めた和装全般を指し、西洋の「洋服」に対する「和の服」という意味合いがあります。つまり、和服という大きなカテゴリーの中に、着物という種類が含まれているイメージです。

着物以外の和服の描き方は、下記の記事も参考にしてください。

参考記事:初心者も簡単!浴衣のイラストの描き方 男の子編
参考記事:初心者も簡単!浴衣のイラストの描き方 女の子編
参考記事:初心者も簡単!袴のイラストの描き方

着物と振袖・浴衣との違い

着物は振袖や浴衣と形が似ていますが、イラストを描く上では以下の点が異なります。

袖の長さ

  • 振袖:一番長い。ふくらはぎやくるぶし付近まである。
  • 着物(訪問着など):腰あたりの長さ。
  • 浴衣:一番短い。涼しさを出すため袖丈も短め。

襟元
着物の襟は内側に「半衿(はんえり)」が見えますが、浴衣の襟は一枚だけです。

足元
着物は必ず足袋を履きますが、浴衣は基本的に素足です。

帯周り
着物は帯の上に帯揚げや帯締めなどの装飾があることが多いのに対し、浴衣は帯のみでシンプルです。

生地の質感
着物はしっとりとして重厚感があり、浴衣はパリッと軽やかな質感になります。

男性の着物の種類

男性の着物は、TPOに合わせて主に3種類に分けられます。イラストのシチュエーションに合わせて選びましょう。

  • 礼装(れいそう):冠婚葬祭などで着用する最も格式の高い着物。黒い羽織の5ヶ所(両袖、両胸、背中)に家紋が入っています。
  • 準礼装・略礼装:結婚式の披露宴やパーティーなど、少し改まった場で着ます。黒以外の色紋付で、紋の数で格が変わります。
  • 洒落着・外出着:最もカジュアルな普段着。浴衣もここに含まれます。羽織を着ない「着流し」スタイルも粋です。

着物の基本的な特徴と構造

まずは、着物の特徴をご紹介します。

着物の各パーツの名称

イラストを描くにあたって、各パーツの詳細な名称(半衿、帯揚げ、おはしょりなど)をすべて暗記する必要はありません。

まずは、以下の3つの特徴を意識しましょう。

  1. 着物の下には半衿を着ている
  2. 着物は右前(左側が上)で着る
  3. 女性はおはしょりを作り、男性は作らない

男女の着物の違い

着物は男女で作りや着こなしが異なります。イラストで描く際、以下の3つのポイントを押さえるだけで、ぐっと本格的に見えます。

  • 襟(えり):女性はうなじが見えるように拳ひとつ分ほどの空間を空けます(衣紋を抜くといいます)。一方、男性は首にぴったりと合わせて着ます。
  • 身丈(みたけ)とおはしょり:女性は着丈を調整するための「おはしょり(腰回りの折り返し部分)」ができるよう長く作られています。男性は身長に合わせた対丈(ついたけ)のため、おはしょりはありません。
  • 帯の位置と太さ:女性は胸の下あたりの高い位置で幅の広い帯を締め、男性は腰骨のあたりの低い位置で幅の細い帯を締めます。

女性の着物の描き方

女性の着物のアタリの描き方

まずは着物のアタリを取ります。体のラインの凹凸を減らし、紙をくるくる巻いたような筒状(寸胴気味)のシルエットを意識すると綺麗に見えます。

また、着物の衿はキャラクターから見て「左側が上」になるように描きます。左右が逆になると死装束の意味になってしまうので注意しましょう。

女性の着物の線画の描き方

アタリに沿って線画を描いていきます。

  • 胴体の上部:衿は気持ち太めに描き、着物の下には半衿も描き込みます。帯は胸よりも少し下の位置に配置します。
  • おはしょり:女性の着物には必須のパーツです。長くなりすぎないようにバランスを見て描きましょう。
  • 胴体の下部:全体が寸胴気味になるよう、凹凸をつけずに描きます。裾の長さは足首が隠れるくらいを目安にします。
  • :手を出す「袖口」から描き始めるとスムーズです。輪っかと線で袖口を描き、そこに四角形を足していくイメージで形をとります。
    • 仕上げ:最後に帯揚げと帯締めを描き込みます。帯締めの種類はキャラクターや着物の格に合わせてアレンジしてみてください。

    男性の着物の描き方

    男性の着物のアタリの描き方

    男性の着物は、女性のような曲線的なラインではなく、肩から足元までが筒のように直線的になる「寸胴」なシルエットを意識します。ストンと下に落ちるようなイメージでアタリを取りましょう。

    男性の着物の線画の描き方

    • 胴体:襟は衣紋を抜かず、首にぴったりと沿わせます。帯は腰骨の上あたりの低い位置に描きましょう。
    • 下半身:男性を描く際はおはしょりを作らず、布が腰から裾までまっすぐ落ちるように描きます。裾はくるぶしが少し隠れる長さにします。
    • :女性用ほど長くありません。袖全体がすっきりとした長方形になるイメージで描きます。
    • 仕上げ:帯締めなどの装飾品が少ないため、シンプルな着こなしを意識すると男性らしい力強さが表現できます。

    男性の着物の色の塗り方

    男性の着物は、紺、茶、緑、グレーなどの落ち着いた色合いや、縞(しま)や格子(こうし)といったシンプルな柄が主流です。柄を入れたい場合は、帯や羽織の裏地(羽裏)など、部分的に見せるとお洒落に仕上がります。

    横向きやパーツ別の着物の描き方

    横向きの着物の描き方のポイント

    【女性の場合】

    • :うなじが見えるよう、首と襟の間に空間を描きます。
    • :胸の下の高い位置に、厚みのある長方形をイメージします。
    • :長く垂れた袖が体の動きに合わせて後ろに流れるように描くと優雅です。

    【男性の場合】

    • :横から見ても隙間ができないように首に沿わせます。
    • :腰骨の位置で、少し前下がりになるように描くと自然です。
    • :短めなので、腕や体の一部が袖の後ろから少し見えるように描きます。

    着物の袖とシワの描き方

    袖は「袖口の円」と「袖本体の四角形」の組み合わせで捉えましょう。腕を曲げた際も見えない部分の四角形を想像すると自然に描けます。

    シワを描く際は、以下の2種類を意識するとリアルになります。

    • 帯周りのシワ:帯で締め付けられることで生まれる、上下に引っぱられるようなシワ。
    • 動きによるシワ:関節部分や、脚の動きによって生まれる布のたるみ。

    また、布の硬さによってもシワの入り方は変わります。

    特徴柔らかい着物(正絹・浴衣・女性物)硬い着物(麻・袴・男性礼装)
    シワの数多い。細かく入る。少ない。大きく入る。
    形状体のラインに沿って曲線的直線的で、パキッとした折れ目ができる。
    ポイント重力を意識し、下に流れるラインを描く。布の張り(テンション)を意識し、面を強調する。

    参考記事:初心者も簡単!服のシワのイラストの描き方

    着物の魅力を上げる小物と和柄の描き方

    草履・髪飾り・扇子の描き方

    • 草履と足袋:草履は白足袋と一緒に描くのが基本です。鼻緒はほぼ真ん中で分かれています。
    • 髪飾りお花やかんざしなど、キャラクターのイメージに合わせて選びましょう。
    • 扇子:手に持たせるだけで和風な雰囲気がアップします。

    参考記事:初心者も簡単!扇子のイラストの描き方

    着物に和柄を取り入れる

    • 市松模様:四角を交互に組み合わせる簡単な模様です。ベースより少し濃い色で足していきます。
    • 千鳥柄:鳥のような模様がランダムに散りばめられた柄です。市松模様よりも可愛らしい印象になります。

    着物イラストのよくある失敗と改善ポイント

    1.体のラインを強調しすぎる

    着物は本来、体との間にタオルなどを巻いて補正し、「寸胴」になるように着付けます。体の凹凸に沿って描くと不自然になるため、筒状のシルエットを意識しましょう。

    2.帯の位置がずれている

    女性の帯は胸の少し下(高すぎず低すぎず)、男性の帯は腰骨のあたり(低め)という基本ルールを守るだけでバランスが良くなります。

    3.袖や裾の動きが不自然

    袖や裾を輪っか(開口部)と線・面に分けて立体的に捉えましょう。どうしてもイメージできない時は、実際の写真を見たり、自分で似たような布を羽織ってみるのもおすすめです。

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