
人物・キャラクターの描き方
初心者も簡単!動きのあるポーズのイラストの描き方
動きのあるポーズを描くポイント コントラポストを取り入れる コントラポストとは、古代の彫刻を作るときから使われてきた考え方で、体重をどちらかの足に偏らせることで、美しい姿勢やポーズを作る手法です。 ポイントは2つあります。体の重心を片足に寄せること、そして肩と腰の傾きを逆向きにすることです。人の体は…
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この記事では、自然なポーズの考え方や描き方のコツを分かりやすく解説します。重心の取り方や、コントラポストといった基本テクニックからアイデアの出し方まで、ポージングの基礎をマスターしてキャラクターの魅力を引き出しましょう。
キャラクターの立ち姿が硬く、ロボットのように不自然に見えてしまうのには、いくつか原因があります。まずは形が不自然になってしまうポイントを押さえましょう。
人物のイラストを描くとき、重心や体の全体のバランスが崩れると、ポーズに違和感が生まれ、不自然な印象を与えてしまいます。なぜなら、人物は、地球の重力に逆らって立っているため、体重を支える重心がずれていると、人間の脳は直感的に転んでしまう不自然な状態だと認識し、イラストに違和感を覚えるためです。
そのため、自然な立ち姿を描くためには、頭の中心から下ろしたまっすぐな線が、両足の間、あるいは体重を預けている足(軸足)に向かって垂直に落ちている必要があります。頭が重たい人間の体は、この重さの通り道が足の裏までしっかり繋がっていないと、物理的に立つことができません。
また、頭と体の大きさの割合も重要です。頭が大きすぎたり、背骨の自然なカーブが失われていたりすると、人間の骨格として無理が生じ、結果としてバランスの崩れた不自然なイラストになってしまいます。
参考記事:初心者も簡単!キャラクターの頭身比率とバランスの取り方

腕や足の関節を定規で引いたようにまっすぐ描いてしまうことも、イラストが不自然に見える原因です。
人間の骨と筋肉は、完全に力を抜いてリラックスしている状態でも、関節部分でわずかに曲がる構造になっています。肘や膝の関節が限界まで伸びきっている状態とは、意図的に筋肉を緊張させている状況です。そのため、動きの少ない静かな立ち姿であっても、関節をまっすぐに描きすぎると、常に力が入っているような窮屈な印象を与えてしまいます。
関節に少しのゆとりを持たせ、骨がわずかに角度をつけて繋がっていることを意識するだけで、人間の体らしい柔らかさを表現できます。

キャラクターにどのような姿勢をとらせるか迷ったときのアイデアの出し方を解説します。
キャラクターの性格や、そのときの感情からポーズを連想してみましょう。キャラクターの動作は、内面にある感情や性格と深く結びついているため、キャラクターの性格からポーズを逆算していくと、キャラクターに陽うったりあったポーズをつくることができます。
たとえば、活発で外向的な性格の元気のあるキャラクターであれば、胸を張り、手足を体の外側へ大きく広げるポーズが適しています。これは、自信やエネルギーが外に向かっているという性格が、無意識に筋肉を大きく動かすためです。
一方で、内向的でおとなしいキャラクターであれば、手足を体の中心に寄せ、少しうつむき加減にするなど、空間を小さく使う姿勢になります。キャラクターが体を守るような姿勢をとることで、静かな感情を視覚的に伝えることができます。

良いポーズは、内側をすべて黒く塗りつぶしたシルエットの状態でも、何をしているのかが明確に伝わります。人間の目は、細かい描き込みよりも先に、全体の輪郭から情報を読み取っているためです。シルエットで塗りつぶした状態でも、状況が伝わるポーズを作りましょう。
コーヒーカップなどの小道具を持たせる場合は、それらが体と重なって見えなくならないよう、空間を空けて配置してみましょう。例えば、動作を正面からそのまま描くポーズでも、シルエットにすると手足が体と重なって消えてしまうことがあります。そのようなときは、少し斜め前や横など、別のアングルから観察する視点に変えてみると、空間の広がりや動作の目的がよりはっきりと伝わるような良いポーズが作れます。

説得力のある自然なポーズを描くためには、実際の人間がどのように動くのか、物理的な資料などを観察してアイデアや知識をストックしておきましょう。自分の頭の中にある想像だけで描ける形には、どうしても限界があります。
日頃から人間の動きを観察してさまざまなポーズのアイデアスケッチをしたり、気に入った写真やファッション雑誌の切り抜きを集めたりして、現実の骨格や重心の動きのアイデアをインプットしていきます。
何も思い浮かばないときは、これらの資料の中から、重力と骨格のバランスが取れた自然な姿勢を探し出して参考にしてみると、オリジナルのポーズのアイデアも浮かんできます。

自然なポーズを作るための、2つの基本テクニックを解説します。
コントラポストとは、古代の彫刻などにも用いられてきた、体重の偏りを利用して美しい姿勢を作る手法のことです。
人間が片足に体重をかけて立つと、体重を支える側の骨盤が上に押し上げられます。それにバランスを合わせるため背骨が曲がり、今度は反対側の肩が下がります。結果として、両肩を結ぶ線と、骨盤を結ぶ線が、平行ではなく互い違いの斜めの線になります。この体重の偏りを利用したのがコントラポストです。
この骨格の傾きによって背骨にゆるやかなカーブが生まれ、重心を保とうとする筋肉の自然な動きが表現されます。ただまっすぐ立つよりも、重力に対する体の反応が正確に描かれるため、説得力のある立ち姿になります。
実際のイラストでは、肩のライン・骨盤のライン・膝の傾きが、平行ではなく「ハの字」になるように描きます。この傾きがつくほどポーズの動きが大きくなり、体のラインに美しいS字カーブが生まれ、自然な立ち姿になります。

意図的に左右を非対称(アシンメトリー)に描くことで、人物のポージングでも自然な状態を表現できます。人間が完全に左右対称の姿勢をとることは、意識をしない限りほとんどないので、より自然な動きやリラックス感を生むことができます。
右腕を上げたら左腕は下げる、右足に体重をかけたら左足の膝は軽く曲げるなど、左右で筋肉の動きを変えていきます。こうすることで、体全体の重さのバランスをとろうとする人間の無意識の動作がイラストの中に生まれ、より自然なリラックスした姿勢を作ることができます。

ここからは、実際にポーズを描いていく際の具体的な手順を説明します。
まずは、骨組みとなる大まかな目印であるアタリを描き、空間の中にどのように体が存在するのかを決定します。細かい顔のパーツや服のシワから描き始めると、全体のバランスを取るのが難しく、重心の位置や頭身比率が崩れてしまいますので、まずは、大まかなポーズを決めていきましょう。
ここでは、頭、胸、骨盤の向きと、関節の位置だけを単純な図形で配置します。この段階で、先ほど解説した重力の通り道や、肩と骨盤の傾きが正しく描けているかを確認し、全体の輪郭がどのような形になるかを定めます。
参考記事:初心者も簡単!アタリの描き方

大まかなアタリが決まったら、体に肉付けをしていきます。このとき、体を単なる線だけで描こうとすると、紙のような平らな絵になってしまいます。胸の部分は卵型、腕や足は円柱、骨盤は箱型など、厚みを持った立体のブロックとして捉えましょう。
立体のブロックを繋ぎ合わせる際は、人間の関節がどの方向にどれだけ曲がるのかという可動域を守るのもポイントです。肘や膝が不自然な方向に曲がっていないか、骨格の傾きに無理がないかを確認しながら、立体のブロックの向きを調整して奥行きを出していきます。

立体のブロックを人間の形に繋ぎ合わせたら、最後に全体の比率や重さのバランスに違和感がないかを見直してみます。
イラストを描くことに集中していると、目がそのイラストに慣れてしまい、形の歪みに気づけなくなります。デジタルツールで描いている場合は、画面の表示を左右反転させる機能を使います。鏡に映したように左右を逆にすることで、目の慣れがリセットされ、重心のズレや手足の長さの違和感を客観的に発見できるようになります。
参考記事:【アイビスペイント】移動変形ツール・左右反転ツールの使い方

人物の自然なポーズを描くためには、人物自体のポーズだけではなく、その人物の足と地面がどのように接触しているかというポイントも自然に描く必要があります。
地面には、奥へ向かって広がる空間(パースや遠近法)が存在します。人物の足の裏は、この地面の角度とぴったり一致していなければなりません。
足の裏が地面の角度からズレていると、見えない段差に乗っているかのように浮いて見えます。また、足首から下の部分は、地面に対して垂直に近い角度で描きます。そうすることで、体全体の重さをしっかりと支えている説得力が生まれます。地面という平面に対して、足の裏という面がどのように触れているかをイラストで表現しましょう。
参考記事:初心者も簡単!パースの考え方

両足で立っている立ちポーズでも、2つの足にかかる重さは均等ではありません。それぞれの足の役割を理解し、描き分けましょう。
体重を支えるメインの足(軸足)は、頭から落ちてくる重心の線のすぐ下に配置されます。重さを支えるために筋肉には力が入り、足の裏全体でしっかりと地面を踏みしめる形でしっかりと描きます。
一方、体重のかかっていない足(遊ばせる足)は、体を支える役割から解放されているため、膝の関節が軽く曲がり、筋肉も緩みます。つま先だけが地面に触れているなど、力を抜いた状態を描くことで、軸足との対比が生まれ、姿勢全体に自然な動きが加わります。



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