イラストノウハウ
人物・キャラクターの描き方

初心者も簡単!着物のイラストの描き方

  • 描き方

今回は、着物の構造などの基礎知識から、男女別の描き分け、リアルなシワの表現まで、着物の描き方を解説します。

和風なキャラクターを描くときには欠かせない着物の描き方を覚えて、キャラクター表現の幅を広げていきましょう。

着物の基本的な特徴と構造

まずは、着物の特徴をご紹介します。

着物の各パーツの名称

着物には各パーツにそれぞれ名称がついていますが、全てを覚える必要はありません。

イラストを描くにあたっては、下記の3つの特徴を意識しましょう。

  1. 着物の下に半衿を着ている
  2. 着物は右前で着る
  3. 女性はおはしょりを作り、男性はおはしょりを作らない

着物と振袖・浴衣との違い

着物は振袖・浴衣と形は似ていますが、袖の長さがそれぞれ違います。

  • 振袖:一番長い。ふくらはぎやくるぶし付近まである。
  • 着物(訪問着など):腰あたりの長さ。
  • 浴衣:一番短い。涼しさを出すため袖丈も短め。

男女の着物の違い

着物は男女で作りや着こなしが異なります。イラストで描く際、以下の3つのポイントを押さえるだけで、ぐっと本格的に見えます。

  • 襟(えり)
  • 身丈(みたけ)
  • 帯の位置と太さ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

  1. 襟元
    襟は、女性の場合、うなじが見えるように拳ひとつ分ほどの空間を空けます(衣紋(えもん)を抜くといいます)。一方、男性は首にぴったりと合わせて着るのが特徴です。
  2. 身丈の長さと「おはしょり」
    身丈の長さは、女性は着丈を調整するための「おはしょり(腰回りの折り返し部分)」ができるように長く作られています。対して、男性は身長に合わせて対丈(ついたけ)で仕立てられるため、おはしょりはありません。
  3. 帯の位置と太さ
    帯も一目でわかる違いです。女性は胸の下あたりの高い位置で幅の広い帯を締め、男性は腰骨のあたりの低い位置で幅の細い帯を締めます。

女性の着物の描き方

それでは、着物の描き方を紹介していきます。

女性の着物のアタリの描き方

まず、着物のアタリを描いていきましょう。

着物のアタリを描くときは、全体のシルエットを寸胴気味にすると綺麗に見えます。体のラインの凹凸を減らし、紙をくるくる巻いたような筒状のシルエットを意識してアタリを取りましょう。

また、着物の衿は、キャラクターから見て左が上になるよう描きましょう。左右の衿が逆になると死装束の意味になるので気をつけてください。

女性の着物の線画の描き方

次に、アタリに沿って着物の線画を描いていきます。まずは胴体の上部分までを描いていきます。

衿は気持ち太めに描き、着物の下には半衿も描いておきましょう。帯は胸よりも下の位置に描いていきます。

女性の着物を描く場合は、おはしょりも一緒に描いていきます。おはしょりが長くなりすぎないように気をつけて描いていきましょう。

続いて、胴体から下部分を描いていきます。胴体全体のシルエットが寸胴気味になるように、凹凸をつけずに描いてみましょう。紙をくるくる巻いたものをイメージして描いてみてください。

また、着物の裾の長さは足首が隠れるくらいを目安にしてください。

次に、着物の袖を描いていきます。手を出す袖口から描き始めると描きやすいです。

まず、輪っかと線で袖口を描き、その輪っかと線に四角を足していくイメージで描いてください。

最後に帯揚げと帯締めを描けば着物のイラストの完成です。

帯揚げの形は基本的にイラストの通りですが、帯締めにはいろいろな種類があるので、キャラクターや描きたい着物に合わせて変えていきましょう。

男性の着物の描き方

男性の着物の種類

男性の着物は、TPOに合わせて主に3種類に分けられます。イラストのシチュエーションに合わせて選びましょう。

  • 礼装(れいそう)
    冠婚葬祭などで着用する最も格式の高い着物。黒い羽織の5ヶ所(両袖、両胸、背中)に家紋が入っています。
  • 準礼装・略礼装
    結婚式の披露宴やパーティーなど、少し改まった場に。黒以外の色紋付で、紋の数で格が変わります。
  • 洒落着・外出着
    最もカジュアルな普段着。浴衣もここに含まれます。羽織を着ない「着流し」スタイルも粋です。

男性の着物のアタリの描き方

まず、全体のシルエットを決めるアタリを描きます。 男性の着物は、女性のような曲線的なラインではなく、肩から足元までが筒のように直線的になる「寸胴(ずんどう)」なシルエットを意識すると、男性らしい着こなしに見えます。ストンと下に落ちるようなイメージで描きましょう。

男性の着物の線画の描き方

それでは、アタリに沿って男性の着物の線画を描いていきましょう。

まず胴体から描きます。男性の着物の襟は、衣紋を抜かずに首にぴったりと沿わせるのがポイントです。帯は、腰骨の上あたりの低い位置に描きましょう。

次に胴体から下を描きます。男性はおはしょりがないので、布が腰から裾までまっすぐ落ちるように描きましょう。着物の裾は、くるぶしが少し隠れるくらいの長さにするとバランスが良いです。

着物の袖は、女性用ほど長くありません。袖全体がすっきりとした長方形になるようなイメージで描いてみてください。

最後に髪の毛や草履などを描き足せば線画の完成です。男性の着物は帯締めなどの装飾品が少ないため、シンプルな着こなしを意識すると、男性らしさが表現できます。

男性の着物の色の塗り方

線画が完成したら、色を塗っていきます。 男性の着物は、紺、茶、緑、グレーなどの落ち着いた色や、縞(しま)や格子(こうし)といったシンプルな柄が主流です。

柄を入れたい場合は、全体に使うよりも、帯や羽裏(はうら)など部分的に見せるとお洒落に仕上がります。

横向きの着物のイラストを描くポイント

横向きの女性の着物のイラスト

横向きの女性の着物を描くときのポイントは下記の通りです。

  • : うなじが見えるように、首と襟の間に空間を描きます。
  • : 胸の下の高い位置に、厚みのある長方形をイメージして描きます。
  • : 長く垂れた袖が、体の動きに合わせて後ろに流れるように描くと優雅に見えます。

横向きの男性の着物のイラスト

横向きの男性の着物を描くときのポイントは下記の通りです。

  • : 横から見ても、首と襟の間に隙間ができないように描きます。
  • : 腰骨の位置で、少し前下がりになるように描くと自然です。
  • : 袖は短めなので、腕や体の一部が袖の後ろから少し見えるように描きましょう。

パーツ別の着物の描き方のポイント

着物の袖の描き方

袖は「袖口(そでぐち)の円」と「袖本体の四角形」の組み合わせで捉えると、形を理解しやすくなります。腕を曲げたり上げたりして袖が折りたたまれている時も、見えない部分の四角形を想像することで、自然な形を描きやすくなります。

着物のシワの描き方

着物の自然なシワは、以下の2種類を意識するとリアルに描けます。

  1. 帯周りのシワ: 帯で締め付けられることで生まれる、上下に引っぱられるようなシワ。
  2. 動きによるシワ: 腕や脚の動きによって、関節部分や布がたるむ場所にできるシワ。

特に、脚の動きによって生まれる布のたるみを意識すると、シワの流れが捉えやすくなります。

参考記事:初心者も簡単!服のシワのイラストの描き方

また、着物の素材によってシワの入り方が異なります。布の硬さを意識しましょう。

特徴柔らかい着物(正絹・浴衣・女性物)硬い着物(麻・袴・男性礼装)
シワの数多い。細かく入る。少ない。大きく入る。
形状体のラインに沿って曲線的直線的で、パキッとした折れ目ができる。
ポイント重力を意識し、下に流れるラインを描く。布の張り(テンション)を意識し、面を強調する。

着物に小物(扇子・髪飾り・草履)を加えてみる

先ほどの着物のイラストに小物を描き加えてみましょう。

草履や髪飾りを加える

着物が描けたら草履や髪飾りを加えてみましょう。

草履は白足袋と一緒に履いていることが多いです。ほぼ真ん中で草履の鼻緒が分かれています。

着物の髪飾りはお花やかんざしを使うと合わせやすいです。描きたいイメージに合わせた髪飾りを選びましょう。

扇子を加える

さらに和風な雰囲気をアップさせるために扇子を持たせてみましょう。

扇子の描き方はこちらの記事で紹介しています。着物の色に合わせて、扇子の色を塗ったら完成です。

着物に和柄を取り入れる

さらに、ベースの着物に和柄の模様を取り入れてみましょう。

市松模様

市松模様は四角を交互に組み合わせていく模様で、比較的簡単に描けます。ベースの色よりも少し濃い色で市松模様を作って模様を足します。

千鳥柄

千鳥柄は、鳥のような模様がランダムに散りばめられている柄です。帯締めより少し暗めの色で模様を足します。市松模様のものよりも可愛らしい印象になります。

和柄によっても着物の印象が変わってくるので、イメージにあった柄を取り入れてみましょう。

着物のイラストのよくある失敗と改善ポイント

ここでは、着物のイラストを描く際に初心者によくある失敗とその改善ポイントをご紹介します。

体のラインを強調しすぎる

着物のシルエットは基本的に寸胴気味になるように描きましょう。体のラインに合わせて描くと不自然な着物になります。

実際に着物を着るときも、体と着物の間に隙間が生まれそうな場合はタオルを体に巻いています。タオルを巻くため、着物を着たときのシルエットは寸胴に近くなります。

上のような事を理解して描いていくと、綺麗な着物のシルエットが描きやすいです。

着物の帯の位置がずれている

帯の位置は、女性の場合は胸よりも少し下の位置です。帯の位置を下げすぎず、また胸よりも上に上げすぎないように気をつけましょう。

また、男性の場合は帯の位置は腰辺りで結ぶのが粋だとされてます。

袖や裾の動きが不自然

袖や裾の動きがどうしても不自然になるときは、袖や裾をわっかと線に分けて描いていきましょう。流れとしては、袖口や裾をわっかで描く、袖の場合はわっかに線を足す、肉付けする順番になります。

どうしても上手くイメージできないときは、写真を確認してみたり、実際に着てみるのも参考になります。

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