イラストノウハウ
特殊効果・テクニック

初心者も簡単!ハイライトの描き方

  • 描き方

イラストのクオリティを大きく左右する要素のひとつが、光の表現であるハイライトです。仕上げにほんのひと筆の光を乗せるだけで、キャラクターの立体感や髪のツヤ、瞳の透明感が引き立ちます。

ハイライトはただ明るい色を適当に置くだけでは不十分です。光の当たる方向や描きたい素材の質感を少し意識し、説得力のある仕上がりを目指しましょう。この記事では、デジタルイラスト初心者の方でも実践できる、ハイライトの基本的な描き方と作品をより魅力的に見せるコツを詳しく解説します。

ハイライトの効果

ハイライトとは、設定した光源から最も強い光を受けている場所に置く、白や周囲のベースカラーよりも明るい色で表現された面や点のことです。現実の世界で物体に光が当たったときに起こる、正反射の現象をイラストの中で再現する役割を持っています。

イラストにハイライトを入れる目的は、主に立体の構造と素材の質感を正確に伝えることです。

人間の目は最も明るい部分と暗い部分の対比で物体の高低や膨らみを認識しています。そのため、ハイライトを物体の頂点や突出している部分の目印として配置することで、平坦な画面に奥行きと立体感が生まれます。

また、ハイライトの境界線の硬さや広がり方で、対象物が何でできているかを表現できます。境界線を鋭くはっきりと入れれば金属やガラスのような滑らかで硬いツヤ感を、周囲の色に柔らかく馴染ませれば肌や布のような光を吸収する素材の質感を表現できます。

ハイライトは単に画面を明るくする装飾ではなく、キャラクターや小物の構造と材質を視覚的に説明するための重要な要素となります。

ハイライトの基本ルール

ハイライトを自然で魅力的に仕上げるために、描く前に押さえておきたい4つの基本ルールです。

光源の位置を決める

ハイライトは、イラストの中で最も強い光が当たっている場所に入れます。まずは光源(どこから光が差し込んでいるか)の位置を1つに固定しましょう。

光の方向がバラバラだと立体の形が矛盾して見えてしまいます。球体や凹凸の向きを意識し、最も光が強く当たるパーツの頂点や輪郭(フチ)に沿って入れるのが基本です。

描き込みすぎず量を減らす

ハイライトはすべてのパーツに入れる必要はありません。光らせすぎると視線が分散し、かえって平坦に見えてしまいます。顔や瞳など、一番見せたい主役のパーツに絞ってポイントで入れるのがコツです。

ハイライトの基本の描き方

原則を踏まえた上で、実際にハイライトを描き込む際の具体的な選び方と手順です。

ハイライトを入れる場所の選び方

ハイライトの入れる場所は光源に合わせて考えてみましょう。

大きく分けてハイライトの入れる場所は2種類に分かれます。

  • 光源が直接当たる場所:光がまっすぐ当たるメインの場所には、はっきりとしたメリハリのあるハイライトを入れていきます。
  • 光源から遠く離れた場所:光が当たらない影側の場所には、周囲からの照り返し(反射光)を意識して、ふんわりと柔らかい光を入れていきましょう。

メインのハイライトに加えてこの反射光を意識して描くことで、イラストの空気感や立体感がより引き立ちます。

ハイライトの色の選び方

ハイライトの色はベースの色よりもワントーン明るい色がオススメです。
ベースの色と比べてハイライトが白すぎると、全体から浮いて見えてしまう場合があります。

イラストのテイストによっては真っ白でも大丈夫ですが、基本的にはベースの色よりもワントーン明るい色を選ぶと馴染みやすくなります。

参考記事:初心者も簡単!配色・色選びの基本

ハイライトの量・形の決め方

ハイライトの量や形は、描きたい素材の質感とイラストの作風(テイスト)の2つの軸で判断します。

【ハイライトの形の決め方】

  • クッキリした形(四角・シャープな線):金属、ガラス、瞳、濡れた髪など、硬くツヤのある素材に適しています。
  • ぼかした柔らかい形(グラデーション):肌、布、ふわふわした髪など、柔らかく光を吸収する素材に適しています。

【ハイライトの量の決め方】

  • 量を増やす(現代風・華やか):全体的に光を散らし、影側に反射光も細かく入れると、リッチで情報量の多い現代風のイラストになります。
  • 量を減らす(レトロ・シンプル):主役の1点だけに絞ってハッキリした光を入れると、メリハリのあるレトロポップな印象になります。

慣れるまでは、この素材は硬いか柔らかいか、シンプルにしたいか華やかにしたいかを基準に形と量を決めてみましょう。表現に迷ったときは、自分の目指す作風に近いイラストやアニメ作品を観察し、光がどんな形・量で描かれているか分析してみるのがおすすめです。

参考記事:初心者も簡単!レトロなイラストの描き方

ハイライトを入れるときのレイヤーの使い方

ハイライトを入れるときは、クリッピング機能やレイヤー効果を活用するのがオススメです。ベースの色塗りレイヤーにクリッピングして塗ることで、簡単に色をはみ出さず塗ることができます。

レイヤーの合成モードは「スクリーン」に設定するのがおすすめです。スクリーンを使うと、ベースの色となじみながら自然にワントーン明るい光を表現できます。下塗りの色をそのまま乗せるだけでも綺麗になじむため、色選びに迷ったときにも重宝します。

なお、普段の自然な光には「スクリーン」が適していますが、画面が白飛びするほどの強く眩しい光を表現したいときは「加算(発光)」モードが効果的です。金属の激しい反射や瞳の強い輝きなど、特に目立たせたい部分には「加算(発光)」を使うというように使い分けると、表現の幅がより広がります。

参考記事:初心者も簡単!レイヤーの使い方

髪のハイライトの描き方とアイデア

髪のハイライトの描き方

髪のハイライトは、頭部をひとつの球体として捉え、光源との位置を意識しながら描き込みます。髪の毛は頭蓋骨の丸みに沿って生えているため、光の反射も直線ではなく、頭部のカーブに沿った光の帯(天使の輪)になります。

  • 頭の丸みに沿って光の帯を塗る:まず、頭の球体を意識しながら、頭部の丸みに沿って緩やかなカーブを描くようにハイライトの帯を塗ります。
  • 毛束の流れに合わせて消しゴムで削る:ベースとして塗った光の帯を、髪の毛の流れや束の境界線に沿って、消しゴムツールで縦に削り落としていきます。この手順によって、髪全体の球体としての立体感を維持したまま、毛束のツヤを自然に表現できます。

参考記事:初心者も簡単!髪の毛の塗り方

  • 奥側の光をなじませて奥行きを出す:手前にある髪のハイライトは輪郭をはっきり残し、後頭部など奥側にあるハイライトは、柔らかいブラシやぼかしツールで周囲になじませます。前後の情報量に差をつけることで、奥行きを表現します。

髪のイラストの描き方は、初心者も簡単!ウェーブ髪のイラストの描き方や初心者も簡単!巻き髪のイラストの描き方の記事を参考にしてください。

髪のハイライトのアイデア

ハイライトの形状を変えることで、イラストの絵柄やキャラクターの印象をコントロールできます。作品の方向性に合わせたアイデアを紹介します。

  • ジグザグ(アニメ・マンガ風):頭部の丸みに沿って、ギザギザとしたハイライトで光の帯を描く方法です。毛束ごとのツヤが視覚的に分かりやすく伝わり、もっとも汎用性の高い表現になります。
  • 四角(デフォルメ・モダン風):ハイライトの光の帯を四角い形状に削って整える方法です。デフォルメの効いたイラストや、少しカチッとしたデジタルらしいデザインに適しています。
  • 丸(ポップ・ファンシー風):大小の真円を組み合わせてハイライトを表現する方法です。キャラクターの可愛らしさを強調したいときや、レトロポップな世界観と相性が良いです。
  • ぼかし(リアル・厚塗り風):ハイライトの光の帯の境界線を滑らかなグラデーションで周囲になじませる方法です。しっとりとした自然な髪の質感が表現でき、等身の高いイラストに向いています。
  • 線描き(繊細・少女マンガ風):髪の毛の流れに沿って光の帯を細い線で何本も重ねていく方法です。画面の情報量が増えるため、繊細な印象を与えたい場合や、リアルな質感を追求したい場合にオススメです。

目のハイライトの描き方とアイデア

目のハイライトの描き方

瞳にハイライトを描き込むことで、キャラクターの表情がいきいきと輝きます。ここでも大切なのは、光がどこから来ているかという向きと、眼球が丸いボールのような形をしていると意識して立体感を持たせることです。

参考記事:初心者も簡単!目のイラストの塗り方

また、ハイライトのサイズはキャラクターの印象を大きく左右します。大人っぽくクール・知的な印象に見せたいときはハイライトを小さめに、あどけなくかわいらしい・幼い印象にしたいときはハイライトを大きめに描くなど、表現したいキャラクターに合わせてサイズを調整してみましょう。

ハイライトを入れた目の塗り方は、【スケッチブック】瞳にハイライトを入れる方法の記事も参考にしてください。

目のハイライトのアイデア

  • ノーマルのハイライト:もっとも基本的な、光の向きに合わせて丸い光をひとつだけ置く形です。どんな絵柄にもなじみやすく、自然な瞳に仕上がります。
  • 瞳孔に重ねるハイライト:瞳孔の真上に重ねるようにハイライトを置く形です。視線がはっきりと強調されるため、キャラクターの意志の強さや、独特の雰囲気を持たせることができます。
  • 下よりのハイライト:瞳の下のほうにハイライトを置くと、少し影のある落ち着いた雰囲気を表現できます。ふせ目がちな表情や、静かな印象を与えたいときにぴったりな描き方です。
  • 多重・広範囲のハイライト:大きな光に加えて小さな光を散らしたり、メインの光を広範囲に入れたりする描き方です。瞳に潤いと輝きが生まれ、感情豊かな表情や幼さを強調できます。
  • 四角いハイライト:丸ではなく四角いハイライトを、眼球の丸みに沿うように置く描き方もあります。ガラスのようなツヤが生まれ、瞳全体がキラキラと輝いているような華やかさを持たせることができます。

鼻のハイライトの描き方とアイデア

鼻のハイライトの描き方

最近のイラストでよく見かけるのが、鼻筋にワンポイントだけ光を置く手法です。鼻は顔のなかでもっとも高さがあるパーツなので、ここに少し光を足すだけで顔全体の立体感が引き立ちます。

  1. 鼻の頭より少し上の位置に、ダイヤ形をイメージしてハイライトを乗せる。
  2. ダイヤ形の上部を、ぼかしツールなどで肌になじませれば完成。

手軽で目を引くテクニックですが、顔全体に当たっている光の向きと矛盾してしまうと、鼻だけが浮いて不自然に見えてしまいます。全体のバランスを引きで見ながら、なじませ具合を調整してみてください。

鼻のイラストの描き方は、初心者も簡単!鼻のイラストの描き方の記事を参考にしてください。

鼻のハイライトのアイデア

描きたい顔の向きやキャラクターの印象に合わせて、光の置き方を工夫するのも効果的です。

  • 鼻先のハイライト:鼻のてっぺん(鼻先)に小さく光を置く方法です。鼻筋を主張し過ぎず、少しツヤのあるかわいらしい印象を引き立てることができます。
  • 鼻筋の片側だけのハイライト:鼻筋の真ん中ではなく、光が差し込んでいる片側半分にだけ縦に細く入れる方法です。鼻の高さがよりくっきりと際立ち、大人っぽくすっきりとした顔立ちになります。
  • 影で表現する:鼻の側面に落ちる影だけで鼻の高さを表現する方法です。無理にハイライトを描き込まないことで、かえって骨格の自然な凹凸を的確に伝えることができます。顔が斜めや横を向いているときにオススメです。

アタムアカデミーのオンラインイラスト教室でハイライトの描き方を学べる

アタムアカデミーのオンラインイラスト教室では、ハイライトの描き方を学ぶことができます。

初心者の方でも簡単に描けるハイライトの描き方を、ハイライトの基本から髪・目・鼻などのパーツ別の入れ方やハイライトのアイデアなど、講師とやりとりしながら練習できます。

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