イラストノウハウ
パース・背景の描き方

初心者も簡単!背景のイラストの描き方

  • 描き方

背景イラストは、キャラクターの魅力を引き立て、世界観を伝えるために大切な要素です。

今回は、初心者でも取り組みやすい「背景の描き方」の基本から、描かずに画面を埋めるシンプルなアイデア、デジタルツール(アイビスペイントなど)を活用した簡単な方法、そして雪・草原・夕焼けといったシーン別の描き方までを網羅しました。背景を描くコツを押さえて、イラストの完成度をぐっと高めましょう。

背景の基本

背景の役割

背景には、キャラクターが「いつ」「どこで」「何をしている」かを伝える役割があります。背景があることでイラストにストーリー性が生まれ、説得力やクオリティが高まります。

以下の「5W1H」を意識して背景を含めたイラストの構成を考えるのがおすすめです。

  • 5W =When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)
  • 1H =How(どのように)

媒体による背景の役割の違い

描く媒体によっても、背景が持つ役割は少し異なります。

  • マンガの背景:動いているキャラクターが「どこで」「何を」「どうしている」かが伝われば大丈夫です。ストーリーやキャラクターの行動をより明確に伝えることを意識して描いていきましょう。キャラクターがいるコマでは、人物が埋もれないように描き込みすぎに注意が必要です。

参考記事:初心者も簡単!漫画風イラストの描き方

  • アニメの背景:世界観や雰囲気を演出したり、キャラクターの心情をさりげなく表現したりなど、重要な役割を持ちます。アニメ調の背景を描くときも、5W1Hを意識して構図やアングルを考えてみてください。

参考記事:初心者も簡単!キャラクター・アニメイラストの描き方

背景の決め方

キャラクターを引き立てる背景は、「構図」「配色」「効果(ぼかしなど)」の3つの要素から考えてみるのがおすすめです。

「キャラクターはきれいに描けたけれど、背景はどうしよう」と悩んだときは、まずイラスト全体のイメージを固めましょう。背景は大きく分けて以下の2パターンがあります。

  1. シンプル・イラスト的な背景
  2. 場面的な(風景などの)背景

背景を描く基本的な手順

今回は「ぬいぐるみ好きの女の子が、次のぬいぐるみについて考えている」というイメージを例に、具体的な手順を解説します。

イラストの要素は、大まかに「奥(四角い背景)」「真ん中(キャラクター)」「手前(ぬいぐるみや吹き出し)」の3層に分けて構成すると考えやすくなります。

キャラクターが描けたら、まずは一番奥の背景から仕上げます。画面の占有面積が大きい部分から進めると全体像が掴みやすいです。テクスチャ素材を使って情報量を増やすのもおすすめです。

奥ができたら、手前の物を仕上げます。主張しすぎない色味で塗り、手前・奥ともに線画をはっきりと描かないようにすると、主役(キャラクター)に視線が集まりやすくなります。

さらに視線誘導を強めるため、手前の物をぼかします。(例:クリップスタジオの場合は、手前の物を1枚のレイヤーに統合し、「フィルター」→「ガウスぼかし」で調整します)

全体の色味や飾りを調整したら完成です!

    複雑な背景を描くのが難しいときは、このように「奥・真ん中・手前」に分けてシンプルに考えてみましょう。

    背景が思いつかないときのシンプルなテクニック

    背景は無理に描き込まなくても大丈夫です。キャラクターを目立たせるシンプルな背景処理を紹介します。

    参考記事:初心者も簡単!シンプルでおしゃれな背景の描き方

    図形を散らす

    丸や三角、四角などのシンプルな図形をキャラクターの周りに配置してみましょう。キャラクターの顔へ視線が集まるような流れ(視線誘導)を作り、色はキャラクターのテーマカラーや瞳の色に合わせると統一感が出ます。

    文字を入れる

    雑誌の表紙やポスターのように、キャラクターの名前やセリフ、英単語などを背景にデザインしたり、漫画のようにセリフや反応(!や?等)を吹き出しに入れて配置すると、ポップな仕上がりになります。

    フリー素材やブラシを活用する

    イラストソフトに入っているフリー素材やブラシを活用することで、簡単に背景が華やかになります。ハートや星、花柄などのブラシは、スタンプのようにポンポンと置くだけで画面が埋まるので、色々と試してみましょう。

    構図と配色を活用した背景のテクニック

    背景を描く本来の目的は「キャラクターをより魅力的に見せること」です。ここでは、構図と配色の視点から解説します。

    構図を使った背景のテクニック

    構図を上手く活用できれば、視線誘導や奥行き表現の幅が広がります。

    • 三分割法:画面を縦横3つに分割し、交点にキャラクターや地平線を置くと安定感が出ます。
    • 対角線構図:画面の角と角を結ぶ対角線を意識すると、動きや奥行きが出ます。
    • 透視図法(パース):遠近法や一点透視などを組み合わせることで、部屋や街並みなどの臨場感あふれるシーンが描けるようになります。

    参考記事:初心者も簡単!構図の基本

    配色を使った背景のテクニック

    • 明暗をつける:「キャラクターが暗く、背景が明るい(逆光)」など、明るさを分けることでキャラクターを浮かび上がらせます。レイヤーを白黒にして確認すると明暗差がチェックしやすいです。
    • 対比と同系色:暖色系のキャラクターに寒色系の背景を合わせる(対比)とお互いを引き立て合い、同じ系統の色でまとめる(同系色)と統一感が高まります。
    • 配色パターン:季節感やテーマ(春はパステル、夏はビビッドなど)に合わせて色選びを工夫しましょう。

    参考記事:初心者も簡単!配色・色選びの基本

    デジタルツールを活用した背景のテクニック

    デジタルイラストならではの機能を活用すれば、少しの工夫でプロのような背景に仕上げたり、キャラクターと背景を自然に馴染ませたりすることができます。

    ガウスぼかし(レンズぼかし)

    フィルター機能の「ガウスぼかし」を使うことで、カメラのピントが合っていないような表現ができます。背景の描き込みがざっくりしていても、強めにぼかすことで雑さが気にならなくなり、ピントの合っているキャラクターが強調されます。

    参考記事:【アイビスペイント】ぼかしツールの使い方

    グラデーションマップ

    「グラデーションマップ」とは、画像の濃淡に合わせて、指定したグラデーションの色に置き換える機能です。仕上げに使うことで、イラスト全体の色味や時間帯の表現を一瞬で変えることができます。

    グラデーションマップの使い方は、以下の通りです。

    1. 元イラスト(統合済み)の上にレイヤーを複製する。
    2. 複製したイラストに「グラデーションマップ」をかける(夕焼け色や青系など)。
    3. レイヤーの合成モード(オーバーレイやソフトライトなど)と不透明度を調整して、元の色味と馴染ませる。

    レイヤー効果(合成モード)

    背景の色味がキャラクターと合わないときや、馴染ませたいときに活用します。

    • オーバーレイ(不透明度60%前後): オレンジ色などを乗せて、顔周りに明るさを足したいとき。
    • ソフトライト(不透明度20%前後): 白っぽい水色などを乗せて、全体に透明感が欲しいとき。

    参考記事:【アイビスペイント】ブレンドモードの使い方(乗算・加算発光・オーバーレイ)

    演出エフェクト

    • キラキラ/玉ボケ:粒子の細かい光や丸い玉ボケを散らすと、幻想的でロマンチックな雰囲気になります。
    • ぼかし:背景を少しぼかすことで遠近感が出て、キャラクターに視線が集まりやすくなります。特に遠くの風景をぼかすと、画面がスッキリすると同時にリアリティも高まります。
    • 逆光:逆光とは、キャラクターの背後から光が差し込む表現です。シルエットが際立ち、輪郭が光ることでドラマチックな演出になります。夕焼けや朝焼けなどの感動的なシーンで使ってみましょう。

    参考記事:【アイビスペイント】逆光を描く方法

    • 影を落とす:光源を意識して地面に影をしっかり描き込むと、キャラクターが背景の中に「存在している(接地している)」という説得力が生まれます。

    参考記事:初心者も簡単!イラストの影の付け方

    イラストと背景を馴染ませるテクニック

    背景を描き終わった後、「なんだかキャラクターが浮いて見える…」というときは、以下のポイントを試してみましょう。

    背景色の選び方

    背景色は、イラストを「どう見せたいか」によって選び方が変わります。

    • キャラクターを目立たせたいとき:キャラクターと背景の「明度(明るさ)」や「色相(色味)」に差をつけます。コントラストを強めることで、主役であるキャラクターがパッと目を引くようになります。
    • 全体をひとつの雰囲気にまとめたいとき:キャラクターと同系色の色を背景に使い、明度の差も少し抑えめに調整します。画面全体に統一感が生まれ、まとまりのあるイラストになります。

    レイヤーを使ったイラストのなじませ方

    色を調整しても背景と人物が馴染まないときは、レイヤー効果を活用するのが一番の近道です。以下の手順を加えるだけでも、驚くほど自然に仕上がります。

    • 背景の色からスポイトで色を取り、全体にオーバレイをかける。
    • 背景をガウスぼかしでぼかして、キャラクターなど見せたい部分に視線を集めやすくする。

    さらに、背景の色に合わせてキャラクターに影やハイライトを加えると、より自然に馴染むのでおすすめです。

    初心者向けの背景イラストの描き方

    ここからは、具体的なシチュエーション別の背景の描き方を紹介します。

    雪の背景

    雪の背景は、白を基調とした繊細なグラデーションや、雪の結晶の表現がポイントです。

    参考記事:初心者も簡単!雪の背景イラストの描き方

    草原の背景

    草原の背景は、手前の草は大きく、奥は小さく描き、遠近感を意識します。

    参考記事:初心者も簡単!草原の背景イラストの描き方

    山の背景

    山の背景は、空気遠近法を使い、奥に行くほど青っぽく霞んで見えるように描きます。

    参考記事:初心者も簡単!山の背景イラストの描き方

    川の背景

    川の背景は、水の流れが視線誘導の役割を果たし、キャラクターを引き立てます。

    参考記事:初心者も簡単!川のイラストの描き方

    浜辺の背景

    浜辺の背景は、砂のザラザラした質感や、波打ち際の濡れた表現を描き込むのがコツです。

    参考記事:初心者も簡単!砂浜の背景イラストの描き方

    夕焼けの背景

    夕焼けの背景は、色が濁らないように注意し、鮮やかなグラデーションを作ります。

    参考記事:初心者も簡単!夕焼けの背景イラストの描き方

    夏の空の背景

    夏の空は、鮮やかな青空と厚い雲、強い明暗差でコントラストを効かせます。

    参考記事:初心者も簡単!夏の空のイラストの描き方

    ノベルゲームの背景

    ノベルゲームの背景は、視点(アイレベル)を安定させて描くことが没入感を高めるコツです。

    参考記事:初心者も簡単!ノベルゲームの背景イラストの描き方

    ファンタジーな背景

    ファンタジーな背景は、現実の自然物を応用しつつ、彩度の高い色や発光表現を加えるのがポイントです。

    参考記事:初心者も簡単!ファンタジーな背景イラストの描き方

    アタムアカデミーのオンラインイラスト教室で背景イラストの描き方を学べる

    アタムアカデミーのオンラインイラスト教室では、背景イラストの描き方を学べます。

    背景の描き方について、描かずに画面を埋めるシンプルなアイデア、デジタルツール(アイビスペイントなど)を活用した簡単な方法、そして雪・草原・夕焼けといったシーン別の描き方まで、背景の描き方を基本から応用まで、講師とやりとりしながら練習できます。

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