イラストノウハウ
特殊効果・テクニック

初心者も簡単!イラストの影の付け方

  • 描き方

この記事では、基本的な影の塗り方はもちろん、イラストの雰囲気をガラリと変える影色の選び方や、キャラクターを生き生きと見せる演出テクニックを解説します。いつものイラストに「影」をほんの少し加えるだけで、作品は見違えるほど魅力的になります。

影の描き方をマスターしてイラスト表現の幅を広げましょう。また、光の描き方は、初心者も簡単!光のイラストの描き方を参考にしてください。

「光と影」表現の魅力や特徴

光や影を描くことで、イラストを魅力的に見せることができます。光や影がもたらす主な効果を紹介します。

立体感を与える

光によって影が生まれることで、物の形や表面の凹凸がはっきりと分かり、イラストが立体的になります。

雰囲気を変える

光の当たり方や色、強さなどを工夫すると、イラストの雰囲気を変えることができます。例えば、赤や黄色の光をやわらかく当てると、イラストが温かみのある雰囲気になります。

感情を伝える

光が当たる方向によって、キャラクターの表情が変わり、感情を豊かに表現することができます。例えば、キャラクターの顔に真横から光が当たっていると、キャラクターの強い意志を表現できます。また、キャラクターの下から光が当たると、怖さを表現できます。

「かげ」の基本

光を表現するときに重要なのが、かげの描き方です。

2種類の「かげ」:影(シャドウ)と陰(シェード)

「かげ」には、「影(シャドウ)」と、「陰(シェード)」があります。

影(シャドウ)
物によって光が遮られて、地面や壁などにできるかげのことです。物体のシルエットとしてはっきり見えるのが特徴です。

陰(シェード)
物体そのものにできる、光が当たっていない暗い部分のことです。立体感を出すために不可欠です。

物体にはこれら2つの「かげ」ができることを意識しましょう。実際にかくときには、以下のポイントをおさえましょう。

  • 光の向きと反対側にかげをつける
  • 絵の雰囲気に応じてかげの濃さや、ぼかし具合を変える

基本的な影の付け方

光源の位置を決める

まずは光源(光がどこから当たっているか)の位置を決めます。 今回は、右斜め上から光が当たっていると想定して影を塗っていきます。横や斜め上から光を当てると、立体感が出やすくなるのでオススメです。

影になる部分のアタリを描く

光源を決めたら、最初にざっくりと影のアタリ(大まかな位置を示す下書き)を塗っておきましょう。

この工程は省略しても大丈夫ですが、最初にアタリを塗っておくとイラストの完成形がイメージしやすくなります。

影色を選ぶ

影色は、描きたいイラストのイメージに合わせて選びましょう。

  • 赤っぽい影:かわいいイメージのイラストや、昼や夕方など日の光が強い場面など
  • 青っぽい影:冷たい・暗いイメージのイラストや、夜など光が弱い場面など
  • 緑っぽい影:爽やか・ミステリアスなイメージのイラストや、朝のような黄色や緑がかった光の場面など

影の色味の選び方は、初心者も簡単!影の色味の選び方を参考にしてください。

また、影の中で色のグラデーションを作ることで、空気感を表現しやすくなります。光源に近い場所は暖かい色、遠い場所は冷たい色、というように塗り分けることを意識してみてください。

空気遠近法(遠くのものが霞んで見える効果)のように、奥に向かうにつれて影色を青っぽくするのも効果的です。

影を塗る

アタリに沿って影を塗り、ハイライト(最も光が当たっている明るい部分)を描き足したらイラストの完成です。 ハイライトの描き方は、初心者も簡単!クオリティを上げるハイライトの入れ方の記事も参考にしてください。

影色はキャラクターがいる環境によって大きく変わります。もし影色がイメージしづらい時は、ご自身のイメージに近い写真やイラストを探して参考にしてみましょう。

スケッチブックを使った影の付け方は、【スケッチブック】イラストに影をつける方法の記事を参考にしてください。

塗り方別の影の付け方

アニメ塗り

パキッとした陰影が特徴的な、シンプルな塗り方です。影は基本的に1色(多くても2色)で表現します。細かい影は省略し、影の形を大きな面として捉えて、くっきりと塗り分けるのがコツです。

アイビスペイントを使ったアニメ塗りについては、【アイビスペイント】アニメ塗りの方法の記事を参考にしてください。

ブラシ塗り

アニメ塗りをベースに、影の境界線をブラシでぼかしたり、エアブラシで柔らかいグラデーションを加えたりする塗り方です。色の混ざり合いを活かすことで、イラストに柔らかく、優しい雰囲気を与えることができます。

厚塗り

油絵のように、線画に頼らず色を塗り重ねて立体感を描き出す方法です。ブラシ塗りよりもさらに細かく光と影を捉え、色を馴染ませながら形を作っていくことで、重厚感のあるリアルな表現を目指します。あえて筆のタッチを残して、絵画的な質感に仕上げることもできます。

厚塗りの方法は、初心者も簡単!厚塗りの方法の記事を参考にしてください。

パーツ別の影を描くポイント

顔のパーツの影の付け方

顔の影は、キャラクターのデフォルメ具合によって付け方を考えましょう。

アニメ調のイラストなら、基本的な考え方で影を付けてみましょう。リアル風のイラストなら、もう少し骨や筋肉の流れに沿った影を意識すると、より立体的になります。

「束感」を意識した髪の毛の影の付け方

髪の毛の束感(たばかん)を意識して影を付けるときは、 まずは、柔らかいエアブラシで、頭全体の丸みを意識して、ざっくりと影を塗りましょう。

次に、髪の毛の流れに沿った細かい影を描き込みましょう。細かい影を描き込む工程では、髪のパーツ(前髪、横髪、後ろ髪など)を分けて考えると、束感を意識しやすくなります。

服のシワと影の付け方

服のシワを影で表現していきましょう。影の中で色を使い分けることで、空気感を出すことができます。

また、影の塗り方で服の質感や素材も表現できます。例えば、革ジャンのような硬い素材は影の境界線をくっきりと、Tシャツのような柔らかい素材は影をぼかし気味に描くと、それらしく見えます。

シワの形がイメージしづらいときは、写真や他のイラストを参考にしてみてください。服のシワの描き方は、初心者も簡単!服のシワのイラストの描き方の記事を参考にしてください。

影を使った演出テクニック

時間帯を表現する影(朝・昼・夜)

影色によって時間帯を表現することができます。

  • :光は柔らかい青色や黄色。影は青色や水色系。
  • :太陽の光をイメージした白っぽい光。影は濃い青色やグレー系。
  • :光は街灯などを意識した黄色や、月明かりを意識した暗い青色。影は光の色よりさらに暗い色。

感情を表現する影(不安・恐怖・決意)

影の落ち方によって、キャラクターの感情を演出することができます。

不安や恐怖といった感情は、目元に影を落とすことで効果的に表現できます。 決意を表現したい時は、キャラクターの目元だけに光が当たっているように見せたり、逆光にして明暗のコントラストを強くつけたりするのがオススメです。

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